過呼吸の正しい対処法をホントに知っていますか?
突然目の前で家族や友人が過呼吸で苦しみ始めたら、どのように対処したらよいでしょう。
まさかそんなことは起こらないと思っていても、突然起こることがあります。
過呼吸を起こした本人は本当に苦しくて、このまま息が止まってしまうのではないかとさえ感じるのです。正しい対処をして、早く楽にしてあげたいですね。
今回は、過呼吸の正しい対処法をまとめました。知っているといざという時、自信を持って対処できますので参考にして下さい。
過呼吸とは
過呼吸は、ストレスなどが原因で、浅く早い呼吸になり酸欠のような錯覚に陥ってしまう状態をいいます。
血中の二酸化炭素が極端に少なくなり、頭痛やめまい・手足のしびれが生じることもあります。
酸欠のような苦しさを感じ、このまま死んでしまうのではないかという恐怖が襲います。比較的、若い女性に多い症状です。
過呼吸の対処法
それでは、過呼吸になってしまった場合はどのような対処をしていけばいいのでしょうか。4つの対処法を紹介していきたいと思います。
ペーパーバッグ法の危険性
過呼吸が起こった時の対処法として最もよく知られている方法がペーパーバッグ法です。
紙袋を口に当て、吐き出した二酸化炭素をもう一度吸い込むようにします。これにより、血中の二酸化炭素濃度を上げていきます。
しかし、このペーパーバッグ法は過呼吸には有効ですが、心筋梗塞や肺塞栓などの過呼吸に似た症状の病気であった場合には逆効果となります。
痙攣を起こしたり、死に至った例もあり、近年ではペーパーバッグ法について見直されています。
ただ、過去に過呼吸の経験がありペーパーバッグ法で落ち着いた経験のある人は、紙袋がないと不安が大きくなり、症状が悪化する可能性もあります。
症状が出ている時に説得するのは困難ですので、よく状態を観察しながら、以下のことに注意して行いましょう。
注意する点は、袋の口をきっちり閉じないことです。過呼吸を起こしている時はパニック状態になっていますので、非常に早い呼吸になっています。
二酸化炭素が不足しているとはいえ、吐き出した二酸化炭素ばかりを吸い込んでいると、今度はあっという間に酸素不足となってしまいます。袋の口は適度に開くように周囲の人が調節してあげましょう。
また行うのは短時間のみとし、後は呼吸コントロール法やツボなどを試してみましょう。
呼吸コントロール法
過呼吸を何度も経験すると、過呼吸が起こりそうな予感を感じ取ることがあります。そういう時は、呼吸コントロール法をやってみましょう。
まず、今やろうとしていることをやめ、腰を下ろして心を静めます。息を止めてゆっくり数を数えてみます。そして、鼻からゆっくりと息を吐きましょう。
ポイントは吐くことを意識することです。吸う:吐くが1:2ぐらいになるよう、吐く割合を増やすことが大切です。
ツボを押す
両側の鎖骨と鎖骨の間に天突(てんとつ)というツボがあります。
このツボはしゃっくりを止めるツボとして有名ですが、喘息や喉の腫れなどの呼吸器系にも効果のあるツボです。斜め上からゆっくり押してみましょう。
このツボは過呼吸を起こした時に効果的ですが、何度も過呼吸を繰り返している方は、普段から予防のためにこのツボを押しておくと良いでしょう。
周囲の人は静かに話す
過呼吸になると本人はパニック状態に陥ります。それを見た周囲の人も非常に驚き、対応できる人を呼んだり、大きい声で話しかけたりしがちです。
本人の不安や恐怖を取り除いてあげることが一番大切なので、周囲の人はまず静かに対処しましょう。「大丈夫」という雰囲気を作り出すことが重要です。
まずは本人に「大丈夫。すぐよくなるから、ゆっくり息を吐いてみましょう。」などと静かに声をかけます。
そして、大声で助けを呼んだりせず、静かに頼れる人を呼んで来てもらいましょう。
まとめ
過呼吸の原因は生活の中で抱えている不安や緊張などのストレスがきっかけとなり、自律神経や呼吸中枢に障害を及ぼすことで生じます。
自分や周囲の人にはないと思っていても、いつどのタイミングで起こるかはわかりません。
過呼吸の対処法を知っていると、自分自身に起こった時には恐怖が和らぎ、周囲の人に起こった時には自信を持って対処できます。
予防策としては、ストレスをためないようにする・ツボを押す・普段からゆっくりした呼吸を心がける、などがあります。
起きそうになったら、呼吸コントロール法を思い出しましょう。ゆっくり息を吐くことを意識するとことで改善されます。
起きてしまったら、周囲の方はできるだけ静かに落ち着いた行動をしましょう。周囲が焦ったり大声を出したりすると、本人のパニックがおさまりません。
これまでよく使われてきたペーパーバッグ法は、別の病気であった場合には逆効果になりますので、できれば使わない方がよいでしょう。
しかし紙袋があると安心するという場合もありますので、短時間のみ使用するなど、注意して行いましょう。