潔癖症になってしまう3つの原因と症状をチェック!
最近、潔癖症の芸能人がクローズアップされ、新しいキャラとしてバライティ番組で活躍していますね。
潔癖症はその人の性格のような印象を持つ方もいますが、実は精神疾患の一種でありその患者さんは精神的な苦痛を感じています。
きれい好きな人というと、いつも片付けや掃除をしていてよく気のきく人を連想しますが、潔癖症となると触るものすべてを汚れもの扱いしてしまうため、周囲の人は自分たちが汚いと否定されているように感じ、良い感情は持てなくなります。
今回は潔癖症になってしまう原因、症状、治し方についてもお伝えしていきます。周囲の方や自分自身が潔癖症で悩んでいるという方はぜひ最後までご覧ください。
潔癖症の症状
まずは、症状を知って、潔癖症かチェックしていきましょう。
潔癖症は不潔恐怖症とも言われる精神疾患の一種です。きれい好きとは違います。潔癖症の患者さんはいつも見えない雑菌に恐怖を感じています。
手を洗っても洗ってもまだ汚れているような強迫観念にとらわれて洗い続けてしまう方もいます。
最近では除菌スプレーを多用することで気持ちを落ち着かせることができるという方が多くなっています。
自宅は常に清潔にしたいという思いから、外から帰宅するとどんなに疲れていてもシャワーを浴びるという方が多いです。
脱いだ衣服や使用したタオルはその都度洗濯する人もいます。洗濯も種類ごとに細かく分けて行っているのです。
さらに、一日に何度もトイレ掃除をする人もいます。手に取るものは常に除菌剤で除菌したり、ナイロン袋などで保護しています。
外出時には、外部のものに触れないように気を使い、電車のつり革や手すりは触ろうとしません。バスやタクシーに乗車する際は自分用のシートを敷いて座る方もいます。
人から渡されたカップなどもハンカチなどで持つようになります。重症になると、自分で洗った食器でしか飲食できないため外食ができなくなります。
仕事でも支障が出る場合として、握手ができないという方もいます。こういった症状があると、人と関わる仕事ができなくなってしまいます。
潔癖症の原因
家庭環境
両親がとても厳しい家庭で育った方は、それが原因で潔癖症になる場合があります。
例えば、トイレの後に手を洗わなかったとか、泥遊びをして服を汚してしまうといった、子供にはよくありがちな行動に対するしつけが厳しい家庭があります。
このような行動に対していつも厳しくしていると、子供は自分はとても汚くてダメな人間だと思うようになってしまいます。
また、周囲の人に厳しくなり、友人などの行為を軽蔑してしまうようになってしまいます。
子育て
自分自身は潔癖症ではなかったのに、子供が生まれてから潔癖症になったという方もいます。
生まれたばかりの赤ちゃんはとても繊細です。どのように扱えばいいのか困り、育児情報を読むと、育児グッズの販売目的で過剰に菌の恐怖をあおり、対策させようとするものもあります。
見えない雑菌・カビなどを気にするあまり、一日中掃除をするようになってしまう方もいます。
このように過剰に清潔にする生活を続けていると、子供にもそれを強要し、子供も潔癖症になってしまう可能性があります。
幼少時のトラウマ
幼少時などの経験が潔癖症の引き金になることもあります。
お笑い芸人はんにゃの金田哲は小学校時代に教室の隣の席の女の子にくしゃみをかけられたことがきっかけになり潔癖症になったという話は有名です。
他にもトイレ掃除で嫌な思いをした経験など、幼少時の経験から潔癖症になる方がいます。
治療法
潔癖症は神経質な性格のように捉えがちですが、精神疾患の一種です。治療を行えば治る病気ですので、潔癖症の人を避けず治療することを進めてあげたいですね。
潔癖症の人は自分が病気だとは思っていない場合が多いです。他の人の行動の方がおかしいと思っているので治療をすすめても納得できない場合があります。
まずは潔癖症が病気であることを理解してもらい治療を開始できるようにしてあげましょう。
認知行動療法
自分が他の人と違う行動をした時の様子を詳細にまとめます。例えば、電車のつり革を触れずハンカチを使って持った場合、どうして触ることができなかったのかを考えます。
主観的に考えてみた場合、手垢が付いているのが目に入ったためだったり、ホコリが付いているのが見えたためだったり、前の人が汚れた手で持っていたのを想像してしまったためだったり、と理由は様々です。
次に客観的に考えてみます素手でつり革を持っても自分の手は汚れていないし、病気になることもないということを理解しようとしてみます。
主観的な考え方と客観的な考え方の認知の違いを知ることで次の治療へと進むことができます。
暴露療法
少し乱暴な方法にも思えますが、あえてこれまで自分が拒否してきた行動をやってみるという方法です。
例えば、我慢して電車のつり革を素手で持ってみるという行動を繰り返し行い、それでも病気になることはないということを実感します。
はじめは大きな苦痛を感じるかもしれませんが、徐々に慣れていき改善される場合があります。
自分ではなかなか続けられない場合は、家族や周囲の人が協力して、「治療で頑張っている」ということを認めてあげましょう。
薬物治療
認知療法・暴露療法だけではうまく進まない場合、薬物治療も合わせて行うと効果があります。SSRIという抗うつ剤は精神疾患の治療に多く使われる薬です。これはセロトニンを増やす効果のある薬です。
セロトニンは三大神経伝達物質の1つで幸せホルモンとも言われる物質です。セロトニンが不足するとうつ病や不眠症などの精神疾患にかかりやすいと言われています。
重症の場合、セロトニンを増やす効果のあるSSRIを使い、認知療法や暴露療法をスムーズに進めていきましょう。
まとめ
潔癖症は神経質な性格であると思われがちですが、実は精神疾患の一種です。
治療をすれば治る病気ですが、本人が病気であるという自覚はなく、治療できないケースが非常に多いのが現実です。
潔癖症になる原因は、厳しい家庭環境や幼少時の体験、子供を思うあまりの行動などが考えられます。
潔癖症の人の周囲の人はまるで汚いもののように扱われて嫌な思いをすることもありますが、少しでも理解し、敬遠するのではなく治療できるようにしてあげたいですね。
自身が潔癖症で悩んでいる場合は、治療すれば治る病気ですので積極的に治療を受けましょう。