耳垢が多い2つの原因!病気の可能性はあるの?
耳が痒くてたまらない。そんな時は耳かきや綿棒で掃除をすると気持ちがいいですよね。でもついついやりすぎて、気づいたら耳がジンジン…と痛くなっていることも!
最近、掃除をしてもしても耳垢が多いなと思うことはありませんか?人には聞きにくいけど、これは病気なのかな?と不安になることもあります。
そもそも耳垢とは何でしょう?耳垢が多いのは病気でしょうか?
そこで、今回は耳垢が多い原因や病気についてまとめました。
耳垢とは
耳垢には乾性耳垢と湿性耳垢の2種類あります。乾性耳垢はカサカサして乾いている耳垢のことです。一方で、湿性耳垢はねっとりとして水分を含んでいるような湿っている耳垢のことをいいます。
これは病気や体調で変わるのではなく遺伝によるものです。
日本人ではおよそ8割の人が乾性耳垢だと言われています。この耳垢とは何からできているのでしょうか。
耳垢は、剥離した角化表皮細胞、外部から侵入してきたチリやホコリ、皮脂腺・耳垢線からの分泌分が混合したものです。
皮脂腺・耳垢線からの分泌物の量により、乾性耳垢と湿性耳垢に分けられるのです。
耳垢の成分を見ると、必要のないもののように思えます。掃除して排除するに越したことはないと思いませんか?しかし、この耳垢にも大切な役割があります。
耳垢の役割
耳垢の大切な役割の1つは抗菌作用です。耳垢の成分は主にリゾチーム・IgA・IgGなどで、これらの成分には抗菌作用があるのです。
この抗菌作用のある成分は乾性耳垢の方が多いと言われています。
もう1つの役割は保護です。外耳道の表皮や鼓膜は薄い皮膚細胞でできています。耳垢があることで物理的に保護され、乾燥防止にもなります。
さらに、もう1つ役割があります。それは昆虫の侵入防止です。耳垢成分の臭いや苦味は昆虫が嫌うもので、寝ている間に侵入されることを防ぎます。
耳垢が多い原因
それではどうしてあなただけ耳垢が多くなってしまうのでしょうか?考えられる原因について紹介していきたいと思います。
耳掃除のやりすぎ
耳垢の成分を考えてみましょう。剥離した角化表皮細胞というのはつまり、古くなった細胞が剥離しているということです。皮膚を傷つけたりするとその部分の表皮細胞は剥離します。
耳垢が気になって耳掃除をやりすぎると、皮膚を傷つけることがあります。
傷ついた表皮細胞は新しい組織を作るため古い細胞を剥離します。こうしてまた耳垢ができます。この耳垢がきになり耳掃除をして皮膚を傷つけると、繰り返されていくのです。
環境の変化
外部から侵入してきたチリやホコリが多いと、チリやホコリが耳の奥まで入らないように皮脂腺・耳垢線からの分泌分も増えます。こうして耳垢が増える結果となります。
チリやホコリの多いところで仕事をする場合は耳あてをするなどして耳を保護すると良いですね。
耳垢と病気について
何かの病気の症状として耳垢が増えるというデータは今のところありません。しかし、耳垢が多いと耳の病気になったり、他の病気を引き起こす刺激になるかもしれません。
耳垢栓塞(じこうせんそく)
耳垢は通常、放っておいても自然に排出されますが、異常に耳垢が増えて塊となり、外耳道を塞いでしまうことがあります。これが耳垢栓塞です。
耳のかゆみに加え、耳の閉塞感・難聴・耳鳴りなどの症状が現れます。外耳炎や外耳道湿疹が原因の場合もあります。
治療は耳垢を取り除くことです。固まってしまい簡単に除去できない場合は、耳垢水という液体で固まった耳垢を軟らかくしてから除去する方法もあります。
無理に自分で取り除こうとすると、傷をつけてしまうことがありますので、耳鼻科で治療してもらいましょう。
咳が出る
耳垢が多い時はかゆみを感じることが多いですよね。耳垢は耳の入口から1cmほどのところまでに多くあります。
外部から守る役割があるのですから当然ですね。それより奥へ入るとほとんど耳垢はなくなります。
耳掃除をしてもかゆみがとれない時は、奥にあるのではないかと耳かきや綿棒を奥まで入れてしまいがちです。
しかし奥の方には耳垢が少なく、外耳道が無防備な状態です。そこに耳かきや綿棒で刺激を与えるとどうなるでしょう。
耳の奥の方の表皮の下には迷走神経が分枝しています。この迷走神経を刺激することで体内につながっている内臓などに影響が出ることがあります。
耳かきをすると咳が出るという経験はありませんか?これは奥の迷走神経を刺激したためです。
耳かきにより内臓に大きな疾患を抱えたということは聞きませんが、耳も体中とつながっています。内臓に影響を与えることは十分にありえることです。たかが耳垢と思わず、耳を大切にしましょう。
耳掃除について
耳垢がたくさんあると、かゆくて集中できないという方もいるでしょう。見た目も清潔感がないのは困ります。
しかし、気をつけて耳掃除をしないと、傷をつけてしまい外耳炎などの病気になったり、もっと耳垢が増えてしまったりします。そうならないように、以下のことに気をつけましょう。
- 耳垢は自然に排出されるようになっています。耳掃除は1~2週間で十分です。
- 耳掃除の範囲は耳の入口から1cmまでにしましょう。
- 耳垢を奥へ押し込まないように気をつけましょう。綿棒を使用する場合は赤ちゃん用などの少し小さめのものを使うと良いですね。
以上のことに気をつけて耳掃除をしてあげましょう。
どうしても我慢できないほどのかゆみや痛み・閉塞感・難聴などの症状がある場合は耳鼻科で相談しましょう。耳垢栓塞になっている可能性があります。
まとめ
耳垢が多いと感じるととても不安ですよね。病気じゃないかと心配になったり、自分が不潔ではないかと気にしたり…。
耳垢は不要なものだと思われがちですが、耳を保護する役割があります。かゆいからと取り除くばかりでなく、耳のことをよく知って快適に過ごして欲しいものです。
病気のサインとして耳垢が多いということは考えられません。しかし、耳掃除の仕方や頻度に問題があったり、環境が変わっていたりしませんか?
耳垢が多いのには理由があります。少し注意すると解決しますので、耳のことを知っておくと良いですね。
耳掃除は1~2週間に一度、入口から1cmまでのところを傷つけないように掃除しましょう。耳垢を奥へ押し込まないように気をつけましょう。
たかが耳がかゆいぐらいで耳鼻科へは行きにくいかもしれませんが、耳垢の除去は耳鼻科での治療でもよくある治療です。遠慮せず、相談しましょう。
また、耳垢が多い方はその耳垢に異臭を感じることがよくあります。この原因についてはこちらを参考にしてみてください。
→【耳垢が臭い4つの原因】