咳が続くけど熱はないのは病気?こんなときの3つの対処法

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咳が出ると「風邪ひいたな…」と思いますよね。でも発熱や嘔吐など、相当なダメージがなければ仕事や学校を休みたくないものです。

咳が続いていても「そのうち治るだろう」と放置して病院には行かないという方も多いのではないでしょうか。しかしこれは風邪が長引いているだけでしょうか?何かの病気が隠れているサインかもしれません。

ここでは、咳が続くけど熱はない3つの病気について、その対処法もまとめました。

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咳が出る理由

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咳は生体防御機能の1つです。肺や気管支に異物が入ると危険です。そのため、「咳受容体」と呼ばれるセンサーがウイルスやほこり・アレルギー物質などを感受すると咳という反射運動が起こるのです。

咳が続くということは、何らかの異物に反応している状態ですので、長引く場合は放っておかないようにしましょう。

 

咳が出る主な病気

咳にはいろいろな種類があります。乾いた咳、痰を伴う湿った咳、期間が長い咳、短い咳。これらをくわしく診てもらうと、風邪ではない病気が見つかることがあります。

3週間以上咳が続く場合は医療機関を受診し、胸部レントゲンや聴診などで肺の病気がないか診てもらいましょう。

 

肺結核やマイコプラズマ肺炎、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、肺がんなどの肺疾患がある場合は、これにより発見できます。

咳が長く続く病気は上記の肺疾患の他に、喉頭アレルギー・後鼻漏(こうびろう)・サルコイドーシス・百日咳などなど非常にたくさんあります。

 

胸部レントゲンや聴診などで異常が見つからず、咳が長く続く病気にはどんなものがあるのでしょうか。このような症状で患者数の多い3つの病気とその対処法をご紹介します。

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咳喘息

喘息というと、ゼーゼー・ヒューヒューという喘鳴(ぜんめい)を想像すると思いますが、喘鳴は気管支喘息に見られる症状です。咳喘息の場合、冷気や煙などを吸い込んだ時に気管支が過剰反応することで咳発作を起こすものです。

 

喘鳴ではなく、コンコンという乾いた咳が長く続くのが特徴で、咳は夜に出ることが多いようです。咳喘息の約3割の方が本格的な喘息に移行する可能性があるといいますので、早めの治療が必要です。

咳喘息の場合、風邪薬や抗生物質を服用してもほとんど効果はありません。風邪が長引いているな…と思ってこれらの薬を服用しても改善されない場合は、咳喘息の可能性が高いと言えます。

 

治療法としてはまず、気管支拡張剤を吸入します。これである程度症状が改善された場合は、咳喘息と診断され、ステロイド薬の吸入を開始します。

 

ステロイド剤というと、その副作用を心配される方もいますが、1/1000mg単位のわずかな量でも効果を発揮するため、長期使用しても副作用はほとんどありません。

約3割の方が本格的な喘息へ移行すると言われています。早期治療開始で症状を改善するとともに、本格的な喘息への移行を予防するため、治療を途中でやめないことが大切です。

 

アトピー咳嗽(がいそう)

アトピー体質の方に多く、咳喘息と症状が似ています。咳喘息の疑いがあり、気管支拡張剤の吸入を行っても改善が見られない場合は、アトピー咳嗽と診断されます。

 

アトピー咳嗽は、咳喘息と症状が似ています。乾いた咳が長く続き、夜に咳が多く出る傾向にあります。本格的な喘息への移行はないと言われています。

 

アトピー咳嗽の治療にはヒスタミンH1拮抗(きっこう)薬が効果的です。アトピー咳嗽から本格的な喘息への移行は原則としてないと言われているため、症状が改善された場合は治療を終了します。

ヒスタミンH1薬でもまだ咳が続く場合はステロイド剤を吸入します。さらに重症の場合はステロイド剤を服用することで改善されます。

 

副鼻腔気管支症候群

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副鼻腔で炎症を起こし、鼻水・鼻づまりなどの症状を起こすものを副鼻腔炎といいます。そして気管支で炎症を起こし、痰や咳が出る症状を起こすものを気管支炎といいます。

これら2つの症状が慢性化して併発した状態を副鼻腔気管支症候群といいます。

 

副鼻腔気管支症候群は、まず副鼻腔炎の症状である黄色の濃い鼻汁が出る・鼻づまり・嗅覚障害などから始まります。

そしてその鼻汁が喉へ流れ込み、咳や痰が出るといった症状があらわれます。さらに気管支や肺にまで影響がおよび、咳や喘鳴が慢性化した状態になります。

 

治療はまず、症状を緩和する対処療法から始めます。まず咳や痰などの症状を鼻炎薬の服用で緩和します。その後、気道粘膜潤滑薬を投薬します。重症の場合は、抗筋薬を用いることで改善します。

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咳が長く続く病気にならない為には

咳が長く続く病気は非常に多いですが、風邪から始まり移行するものが非常に多いといいます。たかが風邪、たかが咳、と放置せず、早めに治療を行いましょう。

また、どの病気にしても疲労やストレスが発症のきっかけになる可能性があります。時々、心や体を休めるということを意識しておきたいですね。

 

まとめ

咳が続くと、何事にも集中できません。体力は奪われるし、周囲からも「うつる」と避けられたりします。風邪ならば長くても3週間ぐらいで咳は回復すると言われています。それ以上続く場合は医療機関に相談しましょう。

 

まずレントゲンや聴診などで肺疾患がないか診てもらいます。その後は咳が長引く病気で多い疾患を疑います。重症化すると、繰り返したり慢性化する病気もありますので、市販薬などを適当に試すよりも、しっかり医療機関で早期治療を行うことが大切です。

そして、日頃から心や体を休めることを意識し、疲労やストレスをためないよう心がけましょう。

 

また、今回は熱はないのに咳が出る場合についてお伝えしましたが、こちらでは微熱と咳が続く場合に原因となる病気についてお伝えしています。ぜひ参考にしてみてください。
→【微熱と咳が続く4つの原因

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