頭皮湿疹のかさぶたには要注意!かゆみを抑える4つの方法
頭が痒くてたまらない、かさぶたをつい触ってはがしてしまう、そういう経験はありませんか?
痒くても命に関わることはないし、我慢できずについ掻いてしまいますね。
掻いてかさぶたをはがすと、またかさぶたができてもっと痒くなる…という悪循環が続きます。頭皮のかさぶたがいつまでたっても治らない、という方のために、その対処法をまとめました。
かさぶたとは
頭皮に限らず、皮膚に傷ができるとかさぶたができますね。かさぶたができると痒くて仕方がありません。
痒みに耐えられずはがすとまたできます。かさぶたは何のためにできるのでしょうか。
出血を抑える
皮膚が出血すると、血管が収縮して出血を最小限に抑えようとします。そしてその傷口に血栓というフタを作って傷口を塞ぎます。
そこで血小板からフィブリンというタンパク質が分泌され、血液を固めます。こうすることで、傷口からの出血を最小限に抑えることができます。
傷口を保護する
かさぶたは、ばい菌の侵入を防ぎ、皮膚を保護する役目もあります。保護している間に傷口では新しい皮膚が形成されます。新しい皮膚が形成されるとかさぶたの役目は終わり、自然に剥がれ落ちます。
かゆいのはなぜか
かさぶたが自然に剥がれ落ちるのを待つのが一番良いのはわかりますが、時間が経つとかさぶたはかゆくなります。
痛みもなくなってきたら、つい掻いてかさぶたをはがしてしまいます。どうしてかさぶたは痒くなるのでしょう。
傷ができた時、その傷口は痛いですね。その傷口を塞ぎ、新しい皮膚を形成してくると、その痛みは段々と弱まります。
この痛みの感覚の弱さがかゆみなのです。かゆみが出てきたということは、傷が治りかけている証なのです。
しかし、自然に剥がれていないということは、まだ下の皮膚の形成が終わっていないということです。この時期にかさぶたを剥がすとまた傷ができ、初めからやり直しになるというわけです。
脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)
頭皮湿疹の多くは、脂漏性皮膚炎が原因です。脂漏性皮膚炎によりかさぶたができ、いつまでたっても治らないという方は非常にたくさんいます。脂漏性皮膚炎とはどのような病気なのでしょうか。
脂漏性皮膚炎は皮脂の分泌が多い時に、頭皮に常在するマラセチア菌というカビの一種が増殖することで起こる皮膚炎です。マラセチア菌は皮脂を食べるため、皮脂の分泌が多いと増殖してしまいます。
マラセチア菌が増殖すると、マラセチア菌が分解した物質などが肌を傷つけます。こうして頭皮湿疹ができるのです。
頭皮湿疹ができると痒くて掻いてしまい、さらに傷ができます。傷ができるとかさぶたができ、このかさぶた部分が治りかけるとさらに強い痒みが襲います。
脂漏性皮膚炎は頭皮全体的に皮脂が多く分泌されて広範囲に及ぶため、痒みも非常に強いものとなります。この痒みを我慢するのは本当に辛いものです。
治療法
頭皮に広範囲にできてしまったかさぶたは本当に痒くて、掻くのを我慢できません。しかし、我慢しなければ悪循環は続く一方です。この悪循環を断ち切るにはどうしたらよいでしょう。
とにかく皮膚科へ
体質だから仕方がないとか、頭が痒いぐらいで病院なんて…とか、痒いのを我慢できないのは情けない…とか、色々な理由で皮膚科へ行かない方も多いのですが、脂漏性皮膚炎は病気です。自力で治すのは非常に困難なのです。
かゆくて掻いてしまうのは我慢が足りないのではなく、病気が原因です。まずは皮膚科で相談し、脂漏性皮膚炎であれば薬を処方してもらいましょう。
治療はまず、皮膚の炎症を抑えます。炎症を改善するステロイド薬の塗布が有効です。
よく処方される薬としては、リンデロンなどがあります。
→【リンデロンvg軟膏は市販されているの?副作用に注意!】
そして、抗真菌薬でマラセチア菌の増殖を抑えます。こうすることでかゆみは少しおさまります。ここが我慢のしどころです。
治療を開始すると薬は効果を発揮し、炎症やかゆみは少し収まりますが、すぐに治るわけではありません。かゆみが少しおさまったこの時期に強い意志を持ってかゆみを我慢し、自分でできる予防を実践しましょう。
頭皮を清潔に保つ
皮脂の分泌が多い方は、症状を改善しても再発する可能性が高いです。再発を防ぐために必要なことがあります。それは頭皮を清潔に保つことです。
シャンプーをする時は丁寧に泡立ててから、爪を立てないようにしっかり洗いましょう。ゴシゴシと力任せに洗うとまたかさぶたができる原因となります。
食生活の改善
皮脂を多く分泌するのは食事の影響も大きいと言われます。辛いもの・油分の多いもの・味の濃いものを摂り過ぎていませんか?
バランスのよい食事を心がけるということは、あらゆる病気に対しても良い効果につながります。
頭皮だけでなく、体が疲れにくくなったり、風邪をひきにくくなったり…、色々なところに良い変化が現れます。1つのきっかけとして、食生活の改善に取り組みましょう。
適度な運動
頭皮と運動は関係ないように思うかもしれませんが、適度に運動すると男性ホルモンのバランスがよくなります。皮脂の分泌を調整する男性ホルモンのバランスをよくすることは脂漏性皮膚炎の予防に大切なことなのです。
まとめ
頭皮湿疹で出来たかさぶたがなかなか治らず困っている人はたくさんいます。その多くは脂漏性皮膚炎による猛烈なかゆみが我慢できず、かさぶたをはがしてしまう、かゆみの悪循環を繰り返しています。
かさぶたは皮膚を保護するために出来ており、自然にはがれ落ちるまでは繰り返しできてしまい、その度にかゆみが生じます。
まずは皮膚科で相談し、皮膚の炎症をおさえ、原因菌の増殖を抑えましょう。そして、頭皮を清潔に保ち、バランスのとれた食生活と適度な運動で再発を防止しましょう。
頭皮のかゆみ・かさぶたは体質だと思い、長い年月悩んでいる方も多いようです。しかしこれは病気によるものですから、一人で悩まず皮膚科で治療を行いましょう。