耳の中からガサガサ音がするときにチェックしてほしい3つの原因
突然、耳の中からガサガサ音がする場合は耳垢が詰まっていることや顎関節症という病気が原因となっているケースが多いです。
特に、綿棒により耳掃除やカナル型イヤホンを頻繁に使用することによって耳垢が鼓膜にへばり付いてしまっていることが考えられます。
このように耳垢が奥に詰まってしまっている状態で放っておくと炎症を起こしてしまうおそれがあるので、早めに耳鼻科で除去してもらうことが大切です。
そこで、ここでは耳の中でガサガサ音がする原因や病気についてお伝えしていきます。
耳の中でガサガサ音がする原因
耳掃除のしすぎで耳垢が詰まっている
耳の中でガサガサ音がするときに最も多い原因はやはり耳垢が詰まっていることです。
しかし、耳の中には耳垢は溜まっていることが自然で、外耳道(耳の穴の入り口から鼓膜まで)に耳垢がたくさんあっても変な音が聞こえることはありません。
耳の中でガサガサ、カサカサと変な音がするときは耳垢が鼓膜にこびり付いてしまっていることが原因となるのです。
鼓膜は外耳道と中耳の間を隔てていて、音による空気の振動を察知して私たちが「音」を認識することができます。
つまり、この鼓膜に耳垢が少しでもこびり付いてしまうと正常に振動することができずに、ガサガサと変な音が聞こえてしまうのです。
耳垢が奥に詰まって鼓膜に付いてしまう原因は多くの場合、耳掃除のやりすぎです。
耳垢の働きは、外部から細菌などが侵入しないようにする抗菌作用や外耳道表皮を保護する役割があります。
なので、ほとんどの耳垢は耳の穴の近くに生じるのです。しかし、綿棒などを使ってこの耳垢を自分で奥の方に押し込んでしまって、この際に鼓膜に耳垢が付いてしまうのです。
特に日本人は耳かきや綿棒で耳掃除をする頻度が多く、耳垢を外に出しているつもりが逆に奥に押し込んでしまっていることが多いのです。
実際、耳の構造から耳垢は自然と外に出るようになっているので耳掃除は行う必要はないと医学的に言われています。
耳掃除を行う場合でも月1回行えば十分なのです。
カナル型イヤホンや耳栓の使用
耳掃除により、奥に押し込んでしまった耳垢が鼓膜にへばり付いていることが耳の中からガサガサ音がする原因であるとお伝えしました。
ただ、耳掃除をあまりしない方でもガサガサ音がする症状が表れることがあります。
耳垢を奥に押し込む原因は綿棒などの使用だけでなく、イヤホンや耳栓の使用でも起こるのです。
特に最近は耳の穴に挿入する形式のカナル型イヤホンの使用が多く見られます。
このカナル型イヤホンを頻繁に使用することで、耳垢が奥の方に詰まってしまい鼓膜に付き、ガサガサ音がしてしまうことも考えられます。
他にも、耳栓の使用など耳の穴に何かを挿入することで耳垢は鼓膜にへばり付きやすくなってしまうのです。
綿棒、カナル型イヤホン、耳栓などの使用によってガサガサ音が聞こえる場合は、耳鼻科で鼓膜にへばり付いてしまった耳垢を取ってもらうようにしましょう。
ほんの少しの量が鼓膜に付いてしまうだけでも違和感や異音がするので耳鼻科での対処が必要になります。
髪の毛が耳に当たっている
耳からガサガサ音がするときは、耳内部の耳垢が起因となっているのではなく外部の髪の毛などが当たっていることが原因となっていることも疑われます。
特に髪の毛が長い女性は、耳の穴付近に髪の毛が当たってしまっていることが多く、耳の中から音がしていると勘違いしてしまうのです。
気になる場合は髪を結んだりして耳に髪が当たらないように対処しましょう。
耳でガサガサ音がする病気
顎関節症
特に口を動かすとガサガサ音がする場合は顎関節症の初期症状である疑いが持たれます。つまり、耳で音がしているのではなく顎(あご)の関節で音が鳴っているということです。
顎関節症とは、顎の関節がズレたり変形してしまうことで、顎を動かしたときに音がしたり痛みを感じたりするのです。
顎関節症の程度はさまざまで、症状が軽い場合は痛みはせずにガサガサ、カクカクと音が聞こえるだけの場合もあります。
顎関節症が発症する原因は以下の通りです。
- 精神的ストレスによる噛み締め
- 歯の噛み合わせの悪さ
- 頬杖やうつ伏せ寝などによる顎への負荷
- 大きな食べ物(ハンバーガーなど)や固い食べ物を食べることによる顎への負荷
上記のようなことが原因となってあごに負荷がかかってしまうことで顎関節症になり、耳の中でガサガサと音が聞こえることがあるのです。
また、顎関節症は女性の20〜40代といった若い世代で多く見られる病気なので注意しなければなりません。
突発性難聴(耳鳴り)
突発性難聴は未だに原因が明らかになっていない耳の病気で、日本では年間4万人もの人が発症している身近な病気です。
名称の通り、突発性難聴は急に耳が聞こえにくくなることが特徴的な症状です。ただ聞こえにくくなるだけでなく、耳鳴りや耳の違和感という症状も伴うことが多いです。
つまり、突発性難聴の症状のひとつである耳鳴りでガサガサと音がしている可能性も疑われるのです。
耳の中から音がするだけでなく耳の聞こえも悪くなるという症状が表れている場合は突発性難聴ではないか疑いましょう。
外耳炎
外耳炎とは、外耳(耳の穴の入り口から鼓膜まで)で傷ができ細菌などが感染することで炎症を起こしてしまう耳の病気です。
外耳炎になると耳の痛みやかゆみの他に、耳がカサカサ音がなるような違和感がするケースもあります。
また、耳の中にかさぶたができたしまったり、耳垂れという汁が耳の中から出てくることもあります。
参考:耳の中にかさぶたができる決定的な原因!耳掃除のしすぎは要注意
外耳炎になってしまうほとんどの原因は耳掃除のしすぎです。耳かきで外耳を傷つけてしまい炎症を起こしてしまうのです。
冒頭でもお伝えしたように、耳かきは耳垢が鼓膜にへばり付いてしまうことにもつながりますので、できるだけ控えるようにしましょう。