耳たぶに粉瘤ができる原因は?しこりが気になる人必見の治療法!
何気なく触った耳たぶにシコリがあったらびっくりしますね。
虫刺されかな?ニキビかな?と放置していると、いっこうに治らない、あるいは大きくなってきた、という経験はありませんか?
耳たぶにできるシコリのほとんどは、粉瘤という良性腫瘍です。そこで今回は、この粉瘤の特徴と原因・治療法についてお伝えしていきます。
粉瘤(アテローム)の症状
粉瘤とは、皮膚の下に袋ができ、垢がたまってできるシコリです。アテロームとも呼ばれています。
垢の塊がたまっているので、中身が出ると非常にくさいのが特徴です。一度できると自然になくなることはなく、大きくなる一方です。
通常は痛みや出血はありませんが、その部分で炎症を起こすと痛みが出ます。
このように粉瘤(アステローム)に細菌が侵入し炎症してしまったものを炎症性粉瘤と呼びます。
炎症性粉瘤になってしまうと、化膿が進み膿がたまった状態になっていきます。この状態は「膿瘍(のうよう)」と呼ばれており、痛みも強くなってくるのが特徴です。
粉瘤ができる原因
粉瘤ができるメカニズムはわかっていますが、その原因はいろいろな説があり、解明されていません。
現在有力とされている原因は、毛漏斗(もうろうと)という毛根を形成している組織を繰り返し刺激することで皮膚下に袋が形成されて粉瘤ができるというものです。
これは「打撲や外傷」がきっかけとなることが多いようです。
また、「疲労や強いストレス」がかかっている時にできるという方もいるようです。粉瘤の予防に限らず、あらゆる病気予防のためにも、規則正しい生活をし、ストレスを解消できる環境をととのえることが大切です。
粉瘤の治療法
粉瘤が炎症性に悪化していない場合は痛みも伴わないので放置してしまう方も多いです。
しかし、粉瘤が自然に消滅することはないのでどこかのタイミングで除去手術をしてもらう必要があります。
特に耳たぶという目立つ場所にできた場合は大きくなる前に除去してしまうのをおすすめします。
また、耳たぶは汗がたまりやすい場所でもあり細菌が感染しやすいです。
粉瘤に傷がつきその部分から細菌に感染して炎症性粉瘤になってしまうと痛みも伴うので本格的に治療を進めなければなりません。
炎症性粉瘤の場合は抗生物質を内服し、炎症の原因となっている細菌を退治する治療から進めていきます。
その後、粉瘤から膿を取り出して炎症が治まってきたころに先ほどの除去手術を行うという流れです。
このように炎症してしまうと治療期間も長くなり少なくとも3か月間はかかってしまいます。
ぜひ粉瘤らしきものを見つけたら早期治療を心がけていきましょう。
また、非常にまれですが粉瘤が巨大化してがんになることもあります。小さいうちに摘出する方が傷口も小さくて済むので、早めに処置する方が無難です。
粉瘤の手術料金
できてしまった粉瘤を皮膚科などで除去してもらうときの手術料金としてはだいたい5000円~2万円である場合が多いです。
ただし、これは粉瘤の大きさ、できている場所、進行具合、地域などで費用も大きく変わってきます。
耳たぶにできる粉瘤は比較的小さな粉瘤であることが多いはずですので、1万円未満で治まる場合も多いようです。
粉瘤とおでき・ニキビとの違い
一見、粉瘤はおできやニキビと間違いやすいですね。どこに違いがあるのでしょうか。
おできは、毛穴が化膿して腫れるものです。膿を出し、抗生物質などで治療できます。
ニキビはアクネ菌と呼ばれる菌が原因で発疹ができます。思春期のニキビは皮脂の分泌が原因で発疹ができますが、スキンケアをしっかり行うことで改善されます。
粉瘤は垢がたまったもので、シコリの中央には黒い「へそ」と言われる入口があります。切開して取り出すしか方法がありません。
粉瘤に似たその他のシコリ
耳たぶにできるシコリのほとんどは粉瘤ですが、まれに肉芽や悪性腫瘍・痛風・先天性耳瘻孔・耳介軟骨膜炎などが原因の場合もあります。
肉芽
肉芽は主にピアスが原因で生じるシコリです。ピアスを異物と判断し排除しようとしてできるシコリです。
ピアスの材質を変えたり、ピアスホールを一度塞いでしまうとなくなることが多いです。
痛風
また、痛風である可能性もあります。痛風は尿酸がたまって結晶化することで痛みを生じる病気で、足の指に痛みが出ることが多いです。
耳たぶなどの末端部位では血流が悪いため、まれにできることがあります。足の指に違和感がないか確認してみましょう。
先天性耳瘻孔(せんてんせいじろうこう)
先天性耳瘻孔とは粉瘤と同様に、耳のあたりにしこりのようなものができて変な臭いもする病気です。
表面には小さなピアス穴のようなものが見えますが、穴の奥は袋状になっていて大きくなると2cm近くの大きなしこりになります。
症状としては、赤く腫れたり、痛みがでたり、膿が出たり、臭いがしたりと粉瘤にとてもよく似た症状を伴います。
「先天性」という名称からも分かるように発症原因は遺伝による場合がほとんどです。
腫れや痛みがなければすぐに治療をする必要はありませんが、炎症を起こすと痛みなどをでてきますので耳のまわりは常に清潔を保つようにしましょう。
耳介軟骨膜炎(じかいなんこつまくえん)
耳たぶには軟骨があります。この軟骨が細菌の感染で炎症を起こしてしまうと、しこり・腫れ・痛みなどがでてきます。このような病気を耳介軟骨膜炎というのです。
特にバイクを乗っていたり、工事現場などで長時間ヘルメットをよくかぶるという方はヘルメットが耳を圧迫して耳介軟骨膜炎になりやすくなってしまいます。
痛みが出てきたら氷などで冷やして耳鼻科・皮膚科で受診するようにしましょう。
悪性腫瘍
非常にまれですが、耳たぶに悪性腫瘍ができることもあります。自己判断せず、一度医療機関で相談する方が良いでしょう。
耳たぶにしこりができたら早めに対処しよう!
耳たぶにできるシコリの多くは粉瘤と呼ばれる良性腫瘍です。その原因は解明されていませんが、打撲や外傷がきっかけでできる場合や疲労・強いストレスによりできる場合があります。
粉瘤は、耳たぶにできる他のシコリとは違い、垢がたまったものです。
膿や脂肪のように軟らかなものではなく硬くなっています。また、「へそ」と呼ばれる入口が黒くなるので見分けやすいです。
また、粉瘤の臭いを対策する方法についてはこちらを参考にしてください!
→ 粉瘤の臭いを対策する3つの方法を公開!
放置しても害はありませんが、大きくなって炎症を起こすと腫れや痛みが出ることもあります。また非常にまれですが、がんになることもあります。
粉瘤は、放置していて自然になくなることはありませんので、気になる場合は小さいうちに除去出術をする方がよいでしょう。