酸欠の意外な症状!その危険性を分かりやすく解説!
人は酸素が不足すると活動できません。人は、様々な環境や病気により酸欠状態に陥りますが、その症状を知らなければ対処することができません。
酸欠時間が長くなると死に至ることもありますので、症状を把握しておくことはとても重要です。
今回は酸欠の症状について解説していきます。自分自身や周囲の人の症状は酸欠が原因かもしれません。ぜひご覧下さい。
環境による酸欠
狭い場所での作業や満員電車の中など、呼吸に必要な酸素を十分得られない環境で長時間過ごすと酸欠となり様々な症状が現れます。
通常、空気中の酸素濃度は約21%ほどです。そして正常な人の肺の中の酸素濃度は個人差はあるものの約16%と言われています。
呼吸をすることでこの酸素濃度は保たれますが、空気中の酸素濃度が低いと肺の中の酸素濃度も低くなってしまいます。
空気中の酸素濃度が16%より低くなると、脈が早くなる、頭痛・吐き気・集中力の低下などの症状が現れます。12%より低くなると、めまいや筋力の低下が現れます。
10%より低くなると、顔面蒼白・嘔吐・意識不明などの症状が現れます。8%を切ると、昏睡・けいれん・呼吸停止など、非常に危険な状態となります。
このように、空気中の酸素濃度の低下は生命にかかわることもありますので、軽い症状のうちに気づき、十分酸素を得られる場所へ移動することが大切です。
体質やストレスによる酸欠
生活環境が十分な酸素濃度であっても、体質的に呼吸が浅い人やストレスによっても酸欠になります。
急激な酸素濃度の低下ではなく、日常的に呼吸が浅いために十分な酸素が取り込めない場合も様々な症状が現れるのです。
冷え性・肩こり・偏頭痛・疲れやすい・集中力の低下などの症状は酸欠によるものかもしれません。深い呼吸ができるような対策を試してみましょう。
部屋の換気をこまめに行い、深呼吸を頻繁に行うようにしましょう。また、適度な運動を心がけると、肺活量が上がり呼吸が深くなります。
ストレスが原因である場合、深呼吸や適度な運動はリラックスにつながりストレス解消にもなりますのでぜひ試してみて下さい。
貧血による酸欠
鉄分が不足して起こる鉄欠乏性貧血は女性に多い症状です。女性の方が、血液を作るのを助ける男性ホルモンが少なく、また月経・妊娠・出産などで血液を失うことが多いためです。
貧血は血液中のヘモグロビンの量が減り、血球が小さくなっている状態です。体中に酸素を運ぶ働きをするヘモグロビンの活動が弱まるため、全身で様々な症状が現れるのです。
十分な酸素が運ばれなくなると、酸素は脳や心臓などの生命活動に重要な器官へ優先的に酸素を運ぶため、末端の筋肉などに行き渡らなくなり、冷え性・肩こりなどを引き起こしたり、疲れやすくなったりします。
さらに酸欠が続き、脳の血液が不足すると、めまい・たちくらみ・失神などの症状があらわれます。頭がぼーっとするような症状に見舞われる場合もあります。
さらに心臓への酸欠が続くと、動悸・息切れ・息苦しさなどの症状が現れます。
鉄欠乏性貧血というぐらいですから、これらの症状は鉄分を摂取することで改善されます。
バランスの良い食事を心がけると十分摂取できる場合が多いですが、それでも酸欠の症状が現れる場合は食事の中での採り入れ方を考えると良いでしょう。
レバー・ほうれん草などは鉄分を含む食材としてよく知られています。しかしそれらを多く食べるだけよりも食べ合わせを考えた方が効率よく鉄分を摂取できます。
レバー・あさりなど、動物性食品に多く含まれるヘム鉄は吸収率が高く、鉄分が不足している方には効果的です。しかし、それらに含まれるのは鉄分ばかりではありません。
レバーに多く含まれるビタミンAは胎児に悪影響を及ぼすというデータがありますので、妊娠中の過剰摂取は控えましょう。
ほうれん草や大豆など、植物性食品に多く含まれる非ヘム鉄は吸収率が低いものの、ビタミンCを多く含む野菜や卵などのタンパク質と合わせて摂取すると効果的です。
鉄分が多いと聞いたらその食材ばかりを摂取するのではなく、やはりバランスよく摂取するよう心がけましょう。
まとめ
酸欠による症状は、めまいや疲れやすさといった軽度のものもあれば、一見関係なさそうな冷え性・肩こりなど、様々です。思い当たる症状がある方は重症化する前に対策を行いましょう。
できる対策をしても改善が見られない場合は他の病気が隠れている可能性もありますので医療機関で相談しましょう。
また、環境による急激な酸欠は生命に関わることもあります。症状を把握しているといざという時に早く対処できますので参考にしてください。