水頭症の原因!赤ちゃんの発達がゆっくりだったら要注意?
赤ちゃんの発達には個人差があります。
周囲と比べなくても大丈夫…そんな風に言われても、やっぱり気になりますよね。
いとこの赤ちゃんはもう首がすわってる…お友達の赤ちゃんはもう寝返りしてる…など、不安は尽きません。
でもそれは大切なことでもあります。見るものすべてを疑う必要はありません。
しっかり情報を持ち大切なことを見逃さないようにしたいものですね。
ここでは水頭症の原因や赤ちゃんの発達についてまとめてみました。
水頭症とは
水頭症は脳の内部に水がたまる病気です。
この水は脳脊髄液といい、脳の水分を調整したり形状維持をする役目があります。
この脳脊髄液が大量にたまると脳室が脳を圧迫し、様々な症状が出ます。水頭症には2つのタイプがあります。
非交通性水頭症
小児に多いタイプです。
交通性水頭症
成人に多いタイプです。
小児では、非交通性水頭症が多いと言われています。
水頭症の原因
水頭症の原因はどのようなことが考えられるのでしょうか?
非交通性と交通性に分けて考えてみましょう。
非交通性水頭症
非交通性水頭症の原因には先天性の脳異常・血管異常があります。
その中の一つ、中脳水道狭窄は中脳水道といわれる細い通路が狭窄または閉塞している状態です。
これは胎児期の異常が原因で起こる先天性異常です。
脊髄髄膜瘤も胎児期の異常で起こると言われています。
脊髄がむき出しになるため脳脊髄液の流れに支障が出ることで水頭症になります。
また、遺伝性の明らかなものの1つでX染色体劣性遺伝によるものがあります。
髄液の通り道が閉鎖する病気で脳脊髄液が大量に生産されたり、脳脊髄液の吸収が悪くなります。
そのため、脳内部に水が溜まり様々な症状を引き起こします。
交通性水頭症
交通性水頭症の原因には脳腫瘍・脳炎・髄膜炎・出生時の外傷などが挙げられます。
脳腫瘍・脳炎・髄膜炎・出生時の外傷では脳脊髄量は正常です。
しかし、脳やその周囲の血管に奇形ができ脳脊髄液の流れを妨げます。そして様々な症状を引き起こします。
水頭症の症状
水頭症の症状として最も多いのは頭囲の異常な増加です。
母子手帳には身長・体重などの成長曲線が記入できます。この中には頭囲の成長曲線もあります。
正常範囲の曲線が記入されてありますが、体の成長具合に比べ頭囲だけ正常範囲を大きく超えている場合注意が必要です。
また、
- 不機嫌が続く
- いつも浅い眠りでボーッとしている
- 両黒目が突然下に引っ張られる洛陽現象
- なかなか首が座らない
という症状もあります。
判断しにくいですが、嘔吐が続いたり、けいれんするといった症状も報告されています。
水頭症の治療
赤ちゃんの頭囲の異常を感じたら小児科・脳神経外科を受診しましょう。
診断は頭部CTやMRI検査で行います。
水頭症と診断された場合、シャント手術という治療が一般的です。
この手術では脳室に溜まりすぎた脳脊髄液を腹部で吸収できるようにシャントと呼ばれるバイパスを入れます。
このシャントが詰まってしまったり感染したりしないよう、3ヶ月に一度ぐらいは定期検診を受ける必要があります。
シャントを入れても日常生活に支障はなく、ほとんどのスポーツに制限なく参加できます。
成長について
水頭症の子供は知的・運動・感覚・情緒・排尿排便などに障害をもっていることが多いです。
乳児期は個人差もあり、水頭症かどうかわかりにくいと思います。
赤ちゃんの発達が遅いな…と感じたら、頭囲をチェックしてみましょう。
頭囲の成長曲線において大きく上限を超えている場合、他に水頭症にある症状がないかよく観察してみましょう。
頭囲が異常に大きいからといって必ず水頭症というわけではありません。
両親や兄弟姉妹で頭囲が大きい場合は病気ではなく遺伝的な身体特徴かもしれません。
まとめ
病院で相談すると医師はまず、水頭症の疑いがあるかどうかの判断をします。
そして最終的な診断は頭部CTやMRIで行います。
赤ちゃんの全体的な成長の遅さと頭囲の異常な発達が気になった場合はCTやMRIの設備の整った病院に相談しましょう。
水頭症であると診断された場合、その成長には障害がある場合が多いでしょう。
それでも少しずつ少しずつゆっくりと成長を続けていきますので家族や支援機関とともに大切に見守って行きたいですね。