尿が茶色になる原因と病気の可能性!風邪による影響は?
排尿時に普段と違う茶色の尿が出てきたらとても驚きますよね。『血尿?!』と不安になってしまう方も多いと思います。
ただ尿が茶色になるのは、尿に血が混じっているだけでなくさまざまな原因が考えられます。なかには思ぬ病気が隠れている可能性もあるのでしっかりとチェックすることをおすすめします。
そこで、ここでは尿が茶色になる原因や病気の可能性についてお伝えしていきます。
尿が茶色になる3つの原因
尿は通常、薄い黄色をしています。なので、茶色の尿になってしまうとかなり不安になってしまうと思います。
ここでは、特定の病気以外が原因で尿が茶色になってしまう原因を3つお伝えしていきます。
体内の水分が少ない場合
尿の成分はほとんどが水分ですが、薄い黄色っぽく色づいているのはビリルビンという代謝産物によるものです。
私たちが口にした飲食物が消化されるとき、ビリルビンという代謝産物がつくられ、ビリルビンからできたウルクロムという物質が尿中に含まれ排泄されていくのです。
つまり、尿中に含まれるウルクロム濃度が高ければ高いほど尿は色づき、茶色っぽくなることもあるのです。
ウルクロム濃度が高くなるときというのは、相対的に尿中の水分が少ないときです。身体が脱水気味で排泄する水分量が少ないときは、尿から排泄される水分は少なくなります。
その結果、体内(血中)の水分が少ないときは、尿が茶色っぽくなることが多いのです。
例えば、
- 水分をあまり摂取していないとき
- 運動をして汗をたくさんかいたとき
- 朝起きたとき(睡眠中に体の水分は外に出ていく)
などの場合、体が脱水気味になり尿が茶色になることがあります。
激しい運動の後
上記では、尿中のウルクロムという物質の濃度が増えることにより、尿が茶色に見えるというメカニズムをお伝えしました。
しかし、激しい運動後に尿が茶色になる原因はこのメカニズムとは少し異なります。
激しいスポーツやランニングをした後などは、筋肉や赤血球が壊されます。
その結果、赤色のヘモグロビンなどが尿中に混ざり、尿のもともとの色(黄色)と混合することで茶色っぽく見えるのです。
このように書くと、「血尿?!」と思われるかもしれませんが、激しい運動後は少量のヘモグロビンが尿中に混じってしまうことは正常なことなので、心配する必要はありません。
また、筋肉などが壊されるだけでなく、膀胱や尿道などが運動により傷つくこともあります。
これにより、同様に赤色と黄色が混ざり、尿が茶色に見えてしまうこともあります。
血尿についてはこちらで男女別にお伝えしていますのでぜひ併せてご覧ください。
ストレス
過剰なストレスをかかえこむことにより、尿が茶色になることもあります。私たちの体がストレスを感じると、筋肉が緊張状態になり、その結果水分が足りなくなります。
これにより、尿から排泄される水分が少なくなり尿が茶色に見えるのです。
緊張すると、喉がカラカラになったりすることもあるので分かりやすいと思います。このような場合はしっかりと水分補給することが大切です。
尿が茶色になる8つの病気
風邪
風邪をひくことにより尿の色が変わることはよくあります。特に濃い黄色になったり茶色になったりすることが多いです。
これは風邪になると体内の水分が失われてしまうことが影響しています。特に高熱のときや下痢をしているときは脱水気味になっているので尿の色が濃くなってしまうのです。
膀胱炎
膀胱炎は、膀胱に細菌が感染して炎症を起こしてしまう病気です。膀胱で炎症を起こすことにより、尿中に血が混じってしまい、その結果、尿が茶色っぽく見えるのです。
膀胱炎は特に20~40代の女性に多い病気です。 尿が茶色になる他、
- 排尿の回数が増える
- 尿が白く濁る
- 排尿時に痛みを感じる
などの症状がある場合は膀胱炎を疑うようにしましょう。
特に尿の白濁についてはこちらの記事で詳しくお伝えしていますので併せてチェックしておきましょう。
参考: 尿が白く濁る原因は食べ物にあった?!隠れた5つの病気の可能性
妊娠すると尿の色が変わると言われていますが、これはこの膀胱炎になりやすいことと脱水気味になりやすいことが影響しています。
妊娠が直接的に影響しているのではなく、脱水や膀胱炎が影響している場合がほとんどなのです。
溶血性貧血
溶血性貧血とは、血液中の赤血球の寿命が短くなることで発生する貧血です。この短命になった赤血球が破壊されて、壊れたヘモグロビンからビリルビンが発生します。
そして、ビリルビンが尿中に混合することで、尿が茶色になってしまうのです。
横紋筋融解
横紋筋融解(おうもんきんゆうかい)とはその名のとおり、横紋筋という筋肉の細胞が死滅してしまうことです。この死滅細胞が血中に入ることで、
- 手足のしびれ
- 筋肉痛
- 体がだるくなる・重く感じる
といった症状があらわれます。
そして、このような症状に伴って尿が褐色(茶色)になるのです。横紋筋融解が起こる原因は、激しい運動や薬の副作用などがあげられます。
ポルフィリン症
私たちの血中にはヘモグロビンというタンパク質が存在し、このヘモグロビンが全身に酸素を送る重要な役割を果たしています。
ヘモグロビンはヘムとグロビンによって構成されていて、このうちのヘムの合成に異常が起こることでポルフィリン症が発症するのです。
この合成異常により、本来合成されないはずのポルフォビリノーゲンが合成され、尿中に含まれます。この結果、尿が茶色に見えるのです。
腎臓の病気
腎臓病にはさまざまな種類があり、それに伴って原因もいろいろあります。ただどの腎臓病も尿に異常が表れやすいです。
とくに尿が茶色になるということは、腎臓病の兆候である可能性もあるので注意しましょう。
肝臓の病気
尿の異常といえば腎臓が影響していると思いますが、実は肝臓が悪くなっている可能性もあるのです。肝臓の病気により尿の色が濃くなり、茶色に見えてしまうということがあるのです。
肝臓の病気と尿の色の関係についてはこちらで詳しく解説していますのでぜひご覧ください。
腰痛も伴う場合
腰痛がすると尿が茶色になるということはあります。これは腰痛の原因が尿路結石である場合がほとんどです。
尿路結石は尿路に石ができてしまい、そこでの出血が尿に混じってしまうのです。
特に突然の腰痛と尿の色の変化を伴う場合は尿路結石をひとつの可能性として疑ってみましょう。