尿の色が透明なのは病気のサインかも!原因を分かりやすく解説!
黄色く色づいているはずの尿がなぜか透明になってしまうという経験がしたことも多いのではないでしょうか。
ほとんどの方は特に気にせずに過ごされているかと思いますが、実は中には病気が原因で尿が透明になっている場合もあるのです。
尿の異常はなかなか人には相談しにくく、見過ごしがちですがここでしっかりと確認しておくことをおすすめします。
そこでここでは、尿が透明になってしまう原因や病気についてお伝えしていきます。
尿が透明になる原因
まずは病気が影響していない場合、尿が透明になってしまう原因についてお伝えしていきます。
おおざっぱにいうと、尿に含まれる水分量が多いことが影響しています。
水分の過剰摂取
尿は排泄物なので、当然体にとって不要なものを外に出します。基本的に尿は薄い黄色っぽい色をしているのが正常です。
この薄い黄色であることが体の中で正常に消化活動をして不要なものを外に出している証拠になるのです。
しかし、薄い黄色ではなく、ほとんど透明の尿の場合には、「不要なもの」が尿中に含まれている割合は少なくなります。
これは単純に多くの水分を摂取することにより、その分の過剰な水分が尿として排泄され本来の黄色を薄めてしまった結果、透明に見えているということになります。
なので食べ物の消化活動はしっかりと行われ、不要なものは尿に含まれ排泄されているので心配する必要はありません。
利尿作用のある飲食物を摂取したとき
利尿作用というのは、排尿量を多くする作用のことです。つまり、利尿作用がある飲食物を摂取することにより尿の量が多くなるのです。
利尿作用がある飲食物には、
- コーヒー
- 緑茶
- 紅茶
- スイカ
- メロン
- 豆類
などが代表的です。
特に、コーヒーや紅茶などのカフェインを多く含む飲み物は利尿作用が高いです。このような利尿作用が高い飲食物を口にすることで尿が透明になってしまうこともあるのです。
このメカニズムは先ほどの「水分の過剰摂取」と同様で、尿に含まれる水分量が多くなってしまっているからです。
本来は、飲食物の消化活動で発生したビリルビンという代謝物質が尿に含まれ、黄色っぽく色づきます。
しかし、同時に排泄される水分の量が多いとこの黄色が限りなく薄まってしまい透明に見えてしまうのです。
このように利尿作用が高い飲食物を摂取した場合に尿が透明になっても、体に異常があるということはないのでご安心ください。
尿が透明になる病気
以下では、尿が透明になってしまうときに考えられる病気についてお伝えしていきます。
水分をたくさん摂取したり、利尿作用のある飲食物を口にしていない場合はこちらでお伝えする病気も疑ってみてください。
尿崩症
まず、考えられるのが「尿崩症(にょうほうしょう)」という病気です。尿崩症とは簡単にいうと、ホルモン異常により普段より多くの尿が出てしまう病気です。
尿を排泄する仕組みというのは、抗利尿ホルモンというホルモンが腎臓に働きかけて尿の排泄量を調節します。つまり、このホルモン量によって尿の排泄量が変わってくるのです。
尿崩症になると正常な尿量より2~3倍以上多くなります。これにより、尿は透明になってしまうのです。
尿崩症になってしまうと、尿が多量にでることにより以下のような症状も引き起こします。
喉が渇きやすくなる
尿崩症になると、体に必要な水分までもが尿から排泄されてしまいます。これにより、体が水分を欲しますので、喉がかなり渇いてしまうのです。
特に、冷たい水を飲みたくなるのが特徴的です。
脱水症状
体の水分が失われていくので、水分を上手く摂取できないと脱水症状になってしまうこともあります。
頭がぼーっとしたり、吐き気、頭痛などを感じる場合は脱水症状になっている可能性もあるので注意しましょう。
参考: 脱水症状の頭痛、めまい、しびれ、吐き気、下痢の対処法は?
糖尿病
糖尿病というのは、血液中の糖が多くなってしまう(血糖値が高くなる)病気です。 血糖値が高くなると、血糖値を下げようと、血中の糖を尿を通して体外に排泄しようとします。
糖は水に溶けて排泄されるので、結果的に透明な尿が多く排泄されるようになるのです。
糖尿病はインスリンというホルモンの量が少なくなったり、働きが弱くなったりすることにより起こります。インスリンは血糖を下げる働きをしてくれるのです。
透明な尿が多く出る症状の他、
- 喉が渇く
- 体重が減る
- 疲労感・体がだるくなる
なども表れることが多いです。
特に体が重く感じたり、だるく感じたりすることはただ疲れがたまっているだけだと気づきにくいので注意しなければなりません。
参考:いい加減治したい!体が重いと感じたらチェックするべき原因と病気
副甲状腺機能亢進症
なかなか聞きなれない病名ですが、血中のカルシウム量を調節してくれる副甲状腺の機能が異常になってしまう病気です。
腫瘍などにより副甲状腺から副甲状腺ホルモンが過剰に分泌されて、血中のカルシウム濃度が必要以上に高くなってしまうのです。
血中カルシウム濃度が高くなると、これを正常は基準に戻そうとカルシウムを体外に排泄しようとする働きが生じます。この働きによりカルシウムが水に溶けて尿として多く排泄されていくのです。
このようにして、副甲状腺機能亢進症により透明な尿が出るようになります。他の症状としては、
- カルシウム量低下によって骨がもろくなる
- 尿路結石
- 吐き気
- 喉の渇き
- 食欲低下
などが引き起こされます。
まとめ:尿が透明になるのは水分量が多いから!
今回は尿に含まれる水分が多くなることで色が透明になってしまうということをお伝えしました。
逆に尿の色が濃くなることもあります。この原因についてはこちらでお伝えしていますのでぜひご覧ください。