風疹の抗体数値の基準値は?高いときはどうする?
最近は、子供だけでなく大人も風疹にかかってしまうことがよくあります。
しかも、大人が発症すると重症化しやすいということが分かっています。
特に、妊婦の場合は生まれてくる赤ちゃんに影響がでることがあるので、絶対にかからないようにしなければなりません。
そのために、風疹に対する免疫があるかどうかチェックする必要があります。
この免疫力は風疹ウイルスの抗体の数によって検査することができます。
そこで、今回は風疹の抗体数値の基準値はどのくらいなのか?高すぎる場合、低すぎる場合はどうすればいいのか?ということについてお伝えしていきたいと思います。
風疹抗体価検査とは?
冒頭でも紹介したように、風疹に対する免疫力は風疹抗体価検査というものによって測定することができます。
風疹は風疹ウイルスというものに感染することによって発症してしまいます。
この風疹ウイルスの抗体を体の中に多く持っているほど体の中にウイルスが入っても退治することが簡単になるのです。
つまり、風疹抗体価検査の数値が高いほど、風疹にかかりにくいということになります。しかし、実はこの数値は高すぎてもいけないのです。
それはどういうことなのか、次章から詳しく見ていきましょう!
風疹の抗体数値の基準値
それでは、風疹抗体価検査でどのくらいの数値が出れば十分な免疫を持っているということになるのでしょうか?
風疹抗体価検査には2種類あります。それは、HI法とEIA法というものです。
簡単にいうと、HI法とEIA法では、検査する抗体の種類が違います。
HI法
HI法の数値は8、16、32、、のように8の倍数であらわされます。
HI法での基準値は32~256倍であるとされています。それ以下の数値だと、免疫力が不十分です。
また、256を超える数値だと、最近風疹にかかった疑いがあります。
EIA法
EIA法では、使用するキットによって基準値が少しずつ異なります。
一般的な基準値としては、8~45の場合であるとされています。
数値が8より小さいと、抗体が少なく風疹に感染しやすい体質となっています。
また、HI法と同様に、45より大きい数値の場合は最近、風疹にかかった疑いがあります。
抗体数値が高いとき、低いときの対処法
抗体価が高いとき
数値が基準値より高い場合は、最近風疹にかかっていた疑いがあります。
風疹にかかると、体の免疫系が働き風疹ウイルスの抗体をたくさん作ります。
その影響で、抗体価が高くなってしまったと考えられるのです。
通常の場合だと、風疹にかかったのは過去のことなのでどうでもいいかと思われますが、妊婦の方は心配になるかもしれません。
風疹になると胎児に影響がでるとされているからです。
現在は、このことに関してどのように考えられているのでしょうか?
最近、感染から何年も経っているのに、IgM抗体が陽性に出る人がいることがわかってきました(妊婦の1~2%)。一概に「最近の初感染」とは、いえなくなっています。
実際に、妊娠初期の1850人中30人がIgM抗体陽性だったが、赤ちゃんへの感染はゼロ(横浜市立大学2008年)。風疹感染二次施設では、陽性で風疹症状のない妊婦400人以上からも、赤ちゃんへの感染なし、という報告があります。
「風疹が流行していない」「風疹患者と接触していない」「発疹などの症状が出ていない」という場合、赤ちゃんへの感染の可能性は、ゼロではないけれども極めて低いのです。引用:http://www.premama.jp/tokushu/check/014/index.html
つまり、風疹の症状の自覚がないのに検査では高い数値がでてきた場合は赤ちゃんへの影響はほとんどないということです。
しかし、断定することはできませんので、各自治体の風疹感染相談窓口で詳しい説明や相談を受けるといいかと思います。
抗体価が低いとき
検査の結果、抗体の数値が低いということは風疹ウイルスに対する免疫力が不十分であるということです。
この場合は、風疹に感染しないように予防しなければなりません。
- 家族に風疹ワクチンを接種させる
- 人ごみの多い場所に行くのは避ける
- 健康的な生活を意識し、免疫力をつける
このような予防法が効果的です。
妊娠中は風疹ウイルスを接種することができないので医師としっかり相談して予防を行っていきましょう。
まとめ
風疹抗体価検査についてお伝えしました。この検査は特に、妊婦の方にとって重要な検査となります。
また、風疹と似た症状の病気に麻疹(はしか)というものがあります。
これらの病気はとても似ていますが、あるポイントをチェックすれば簡単に見分けることができます。
以下で、その見分け方についてお伝えしているので、ぜひご覧になってみてください!
→【風疹の麻疹を見分ける3つのポイント】