声枯れが治らない!と悩むあなたへ。意外な原因と治し方を徹底解説
風邪をひいて声が枯れてしまうということはよくありますね。風邪が治れば声も元通りになるのですが、なかなか治らない場合は何か他の原因が考えられます。
今回は、声枯れが治らない原因と、効果的な治し方についてまとめました。
声枯れが治らず困っている方も、よく声枯れして困るという方も、原因を知ることで予防もできますのでぜひご覧ください。
声枯れの原因
声は声帯によって出されます。声帯とは喉の奥にある2本の帯状の器官で、肺から吐き出される空気が通る時に振動させて声を作り出しています。
この声帯が炎症を起こしたり、腫瘍ができたりすると、肺からの空気を声にうまく変換できず、喉枯れとなってしまうのです。
風邪
最も多いのは風邪をひいた時に声帯で炎症を起こすというものです。
風邪の原因となっているウイルス等が声帯で炎症を起こし、声帯機能が低下することで声枯れを起こします。
風邪による声枯れは一時的なもので、風邪が治ると声帯機能も回復します。長くても2週間を超えて声枯れが続くことはありません。
急な声帯への負担
久しぶりにカラオケに行ったり、年に一度の祭りで大声を出したりというように、急に声帯に負担のかかることをした場合、炎症を起こして声枯れします。
この場合も無理に声を出したりせず安静に過ごすと回復します。一時的なものですので心配は不要です。
大声を出す職業
保育士・小学校の教師・スポーツの指導員・機械音の大きい工場での指導員・店舗での呼び込み営業など、いつも大声を出す職業の方は声帯への負担が大きいです。
このような職業の方に多いのが、声帯に小さなタコができる声帯結節です。この場合も声枯れしてしまいます。
喫煙
喫煙者は喉枯れや喉の違和感などを感じる方が多いです。これは喫煙によって肺に入ってくる煙の成分が声帯に影響を与えているためです。
タバコの煙に含まれるニコチンは血管を収縮させる作用があります。一酸化酸素は血中酸素の運搬を阻害します。
喫煙者の声帯は常にこのような過酷な環境にあるのです。これは受動喫煙でも同じことが言えますね。
長年の喫煙は本人も家族も、声帯が炎症を起こしやすい環境になっています。
そのため、大声を出したりカラオケに行ったりという1つのきっかけで声枯れを起こしたり声帯ポリープができてしまったりするのです。
声帯ポリープは、声帯結節よりも大きな血豆のようなもので、喫煙者に非常に多い病気です。ポリープが大きい場合は呼吸困難を起こすこともありますので放置はできません。
アルコール摂取
酒やけして声が枯れるというのを聞いたことはありませんか。アルコールを摂取するとどうして声が枯れるのでしょうか。
通常、食物を摂取しても食道へ運ばれ、肺には入ってきません。しかしアルコールを摂取した場合、アルコール分が肺にも充満し、吐く息もアルコール臭がします。
アルコールは血流をよくする作用があります。適度なアルコールの摂取は血流をよくするので体に良い効果をもたらしますが、過剰摂取をすると喉の粘膜を傷つけたり、声帯を充血させ腫れてしまいます。
またアルコールを摂取すると声が大きくなるのも声帯が炎症を起こしやすくなる原因です。アルコールによって腫れた声帯を大きな声を出すことでさらに刺激を与えてしまうのです。
一度のアルコール摂取で声枯れを起こしてもすぐに治る場合がほとんどですが、くりかえすことで声帯は炎症を起こしやすい状態になり、ポリープなどができる可能性もありますので過剰摂取は控えましょう。
ストレス
特に風邪を引いていなくても、大声を出していなくても、喫煙や飲酒がなくても、声枯れをすることがあります。
過度のストレスによって自律神経のバランスが崩れてしまうと、声帯が痙攣して声枯れを起こすことがあるのです。
反回神経麻痺(はんかいしんけいまひ)
声帯は声を作る役割の他に、気道の開閉弁の役割もあります。これは食物が気管に入り込まず食道側へ流れるようにするためです。これらの働きを支配しているのが反回神経です。
反回神経は、脳幹・喉・胸郭・大動脈弓・鎖骨下動脈・食道・甲状腺等を通っています。この経路のどこかで障害があると反回神経麻痺を起こします。
反回神経麻痺の症状として、声枯れや誤嚥があります。
反回神経麻痺の原因は、食道がん・乳がんなどの各所でのがんや腫瘍、弓部大動脈瘤(きゅうぶだいどうみゃくりゅう)など、様々な病気が考えられます。
声枯れの他にも誤嚥という症状がある場合は、早めに検査をする必要があります。
声枯れの効果的な治し方
声枯れをしても、声帯の炎症程度であれば2週間もすると治ります。
しかし、それ以上症状が続く場合は軽い炎症ではなく、声帯結節や声帯ポリープ・反回神経麻痺などの病気が考えられますので医療機関で相談しましょう。
まずは原因として考えられることを生活の中で見直していきましょう。少しでも早く治るように、病院で薬を処方してもらうのも良いですが、並行して下記の方法も試すと効果は絶大です。
声帯を刺激しない
声枯れの多くは声帯の炎症が原因となっています。声帯は息を吐き出す時の振動で声を作り出すわけですが、大きな声を出すとこの振動も大きくなるので、患部に大きな負担がかかってしまいます。
まずは声帯にこれ以上の負担をかけないようにするため
- 声をできるだけ出さない
- 小さくする
- 咳はできるだけ我慢する
など声帯を刺激しないように意識しましょう。
保湿
乾燥も声帯の炎症を悪化させてしまいます。飴をなめたり、こまめに水分補給をすることで声帯が保湿され、悪化を防ぐことができます。
濡れマスクを着用すると、保湿効果があり、大きい声を出さなくなるというメリットもあります。
まとめ
声が枯れるのは喉の病気というイメージがありますが、原因は様々ですね。まずは原因を考え、生活リズムを見直し、悪化させないようにしましょう。
声枯れを早く治す方法は声帯を刺激しない・保湿するという2つのシンプルな方法が最も効果的です。軽視しがちですが、この2つを強く意識することが大切です。
それでも2週間以上声枯れが続く場合は、声帯ポリープやがんなど、病院での治療が不可欠な病気の可能性が高いです。早めに医療機関で相談しましょう。
度々声枯れをする方は、声帯が炎症をおこしやすい環境にあるということです。普段から声帯を刺激しない・保湿することが予防になります。喉をいたわるように意識して生活していきましょう。