多汗症で顔から汗が止まらない!原因と治し方を分かりやすく解説
緊張すると顔から汗が止まらなくなるという方がいます。限局性多汗症の場合、手足やわきの下・顔の汗が止まらないという場合がほとんです。
メイクをしている場合は、顔の汗でメイクが崩れてとても困ります。ずっとタオルやハンカチで押さえておくのも大変です。
今回は顔にたくさんの汗をかいてしまう原因や治し方についてお伝えしていきます。ぜひ最後までご覧ください。
顔からたくさん汗が出る原因
自律神経の乱れ
限局性多汗症の中でも顔にだけ大量の汗をかくものを顔面多汗症といいます。顔面多汗症の原因の多くは自律神経の乱れと言われています。
交感神経と副交感神経という2つの神経のバランスを保つことで全身の機能をコントロールしています。これらは意思とは無関係に作用し、バランスが乱れると様々な症状が現れます。
顔面多汗症の原因の1つも自律神経の乱れであり、何らかの理由で交感神経が優位に立っている状態になります。
自律神経が乱れる原因は様々ですが、過度のストレス・過労・睡眠不足など、生活リズムの乱れが影響を及ぼすことが多いです。
自身の環境を振り返り、思い当たることがある方はぜひ改善に努めて下さい。
運動不足
意外かもしれませんが、顔にたくさんの汗をかいてしまうのは運動不足が原因の可能性もあります。
汗はどうして出るのでしょう。それは体温を調節するためです。体を動かして体温が上昇すると、汗を出して体温を下げるのです。
汗腺は全身にありますので、頭から足先まで汗をかきます。しかし体温を下げる必要がない環境で長く生活をしていると汗腺は機能しなくなります。
全身を動かす運動をすると全身の汗腺が働きますが、運動をほとんどしない場合は体温を下げる必要がなくなるため、多くの汗腺が機能しなくなってしまいます。
そして、急に運動をしたり極度の緊張状態に陥るなど、体温を下げる必要が生じた際には、その時に機能している汗腺のみで対応することになるのです。
特に運動をしなくても日常生活をする中で顔や手足は動かします。そのため、これらのよく動かす部位の汗腺は運動不足の方でも機能しています。
運動不足で全身の汗腺が機能していない方が体温を下げなければならない場合、その時機能している顔や手足の汗腺だけに汗をかいて調節するしかないので、顔だけにたくさんの汗をかくということが起こるのです。
顔面多汗症の対処法
多汗症の原因は解明されていませんが、自律神経のバランスの乱れや運動不足と考えられます。まずは生活リズムを見直しストレスの軽減に努めましょう。
多汗症の効果的な治療法は特にありませんが、様々な改善法がありますので、自身にあった方法を探してみましょう。
事前に準備をする
顔面多汗症の原因は様々ですが、いずれにしても顔の汗が止まらない時には焦りが出てしまいます。
顔から大量の汗が出ていると、人と顔を合わせるのが恥ずかくなります。メイクをしている場合はメイク崩れが気になって落ち着かなくなります。
このように精神的に焦るとさらに症状は悪化してしまいます。
原因はすぐに分からないかもしれませんが、まずは症状が出た時に焦らないように万全の準備をしておくことが肝心です。
厚手のタオルハンカチなどを持ち歩き、手のひらサイズの鏡も用意しておきましょう。このように、顔の状態やメイク等をチェックできるようにしておくことで安心できます。
症状が出にくくなったり、症状が出ても焦らず落ち着いて過ごすことができるので悪循環に陥らずにすみます。
冷やす
多汗症の症状が出る時は、上がっている体温を下げようとしている状態です。汗をかく以外の方法で体温を下げてしまえば、汗をかく必要はなくなります。
首の周囲に流れている血液を冷やすと、すばやく体温が下がります。そうすると、汗をかいている部位の発汗が収まるのです。
氷を首に当てたり濡れタオルで首の後ろを冷やすことで体温は下がり、汗をかく必要がなくなるのです。
夏場などの暑い時期は十分に冷やさないとなかなか体温が下がらず、症状が収まりにくいです。早めに対処できるようにしましょう。
半側発汗法
半側発汗法は、一時的ですが汗をかく部分をコントロールする方法です。
部分的に圧迫をするとその周辺は汗をかきにくくなります。しかし体温を下げるため、別の部分で汗をかくことになります。
顔の汗を一時的に止めるには顔に近い部分を圧迫すると効果があります。わきの下に拳を押し付けて圧迫すると効果があります。しかし人前ではちょっと気が引けるかもしれません。
女性であればキツめの下着で圧迫すると良いでしょう。腕組みをしてギュッと脇を圧迫するのも1つの方法です。
制汗剤
テノール液・オドレミンなどの市販の制汗剤や病院で処方される塩化アルミニウム液などの制汗剤は多汗症にも効果があります。
かぶれやすい体質の方は自身に合ったものを試してから使用しましょう。
ツボを押す
後谿(こけい)というつぼは、小指の付け根部分で手相の感情線の端あたりにあります。
親指などでギュッと押すと効果があります。試験中や会議中などでも実践できますので試してみて下さい。
陰郄(いんげき)というツボは、手のひらを上にした時に手首の小指側にあり、手首の付け根からひじ側に向かって約1.5cmほどのところに位置します。親指で強めにギュッと数回押してみて下さい。
まとめ
顔面多汗症は自律神経の乱れや運動不足が原因となって起こりますが、効果的な治療法は確立されていません。
しかし、一時的に止める方法はいくつかあり、体質や生活環境に合った方法を見つけると安心ですね。
様々な方法を試してみても大量の顔汗に悩んでいる方は、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されるバセドー病や糖尿病・更年期障害などの病気が原因となっている可能性もあります。
一人で悩んでいると悪循環を繰り返し精神疾患も発症する可能性がありますので、早めに専門医に相談してみましょう。