夜になると咳が出るのはなぜ?5つの原因や病気を紹介
風邪をひいても1週間もすれば元気になるものですが、なぜかいつまでも夜になると咳が出るという経験はありませんか。
これは風邪が完治していないからなのでしょうか。それとも他の病気なのでしょうか。
そこで今回は夜になると咳が出てしまう原因や病気、対処法などについてお伝えしていきます。
夜になると止まらない咳は睡眠障害を引き起こすこともあります。原因を知り、早めに対策するようにしましょう。
自律神経の影響
自律神経は交感神経と副交感神経という2つの神経がバランスを保つことで体中の様々な機能を維持しています。自律神経の作用は意思とは無関係に起こるので、直接コントロールすることはできません。
交感神経は活動時に活発になり、副交感神経は休息時に活発になる神経です。つまり、夜になると咳が出るという症状は休息時に活発になる副交感神経が関わっていると考えられます。
副交感神経が活発になると、体は休息しようとしていますので、活動するために必要な酸素量も少なくて良いため、呼吸もゆっくりになります。
そのため気道も狭くなります。この気道が狭くなった状態が咳を引き起こしやすくしています。
風邪をひいて咳が出たりすると、気道は非常に敏感になります。風邪が治り昼間は咳が止まっていても、夜になって気道が狭くなることで咳が出やすくなるのです。
自律神経の活動をコントロールすることはできませんが、狭くなった気道を少しでも広くしてやることが必要です。
喘息発作の経験がある方は常識と思われるかもしれませんが、とにかく横向きに寝るようにしましょう。仰向けの状態は気道が狭くなりますので、少しでも気道が広くなるように横向きになってみましょう。
保湿することも効果的です。加湿器を利用したり、濡れマスクを着用するなどして喉を保湿することで、小さなほこりなどの異物が狭くなった気道に刺激を与えるのを防ぎます。
アレルギー反応
アレルギー反応というのは体の防御反応が過剰に起きてしまうものです。肺や気管支などに異物が侵入すると、それを外に出すために咳が出ます。これは重要な防御反応です。
この防御反応が夜になると起こるという場合、アレルゲンが就寝環境の中にある可能性があります。昼間はなくて夜にあるものとして考えられるのは、布団や枕にいるダニなどのハウスダストです。
季節が変わり布団も変わったとか、新しい枕にしたなど、就寝環境に変化はありませんか。それまでアレルギー反応がなかった方も急に起こる場合もあります。
元の布団や枕に戻してみたら治ったという場合は、アレルギー反応の可能性があります。耳鼻科等でアレルギー検査をしてみるとある程度はアレルゲンがわかります。
アレルギー反応の場合、アレルゲンを排除するしか方法がありませんので、布団のダニ駆除などに取り組んでみましょう。
特に喉にかゆみを感じる場合はアレルギー反応による咳であることが多いので注意しましょう!
参考:喉がかゆいし咳も出る!考えられる5つの原因をチェック!
後鼻漏(こうびろう)
鼻が詰まっていて鼻水が喉に落ちたものを後鼻漏といいます。後鼻漏は喉の炎症を起こす刺激となります。夜仰向けに寝ると、後鼻漏で気管が炎症を起こしやすくなります。これにより咳が出るのです。
後鼻漏の場合、鼻水を減らす抗ヒスタミン剤が有効です。鼻づまりを解消する点鼻薬も効果がありますので、耳鼻科で処方してもらいましょう。
喉に鼻水が落ちないように横向きに寝るように心がけると良いでしょう。
咳喘息
3週間以上も夜の咳が続いているという場合、咳喘息の可能性があります。
咳喘息は、気管支喘息の一歩手前の状態ですので、ヒューヒュー・ゼーゼーといった喘息特有の喘鳴(ぜんめい)はなく、空咳が続きます。
咳喘息は喉の炎症がゆっくり進行していくので、放置していると慢性化し、気管支喘息へと移行してしまいます。
早めに治療を行うことで防ぐことができますので、咳が長引く場合は早めに呼吸器内科などを受診し、早めに治療を開始しましょう。
気管支拡張剤の使用で夜の咳は減ります。それでも長期化しそうな場合は吸入ステロイド剤を使用すると効果があり、気管支喘息への移行も少なくなります。
アトピー咳嗽(がいそう)
アトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎などの症状がある方は、アトピー咳嗽による咳の可能性があります。アトピー咳嗽も咳喘息と同様で長引く空咳が特徴です。
アレルギー体質の方の場合、耳鼻咽喉科やアレルギー専門機関等で相談してみましょう。アトピー咳嗽の場合、気管支拡張剤は効果がなく、抗ヒスタミン剤や吸入ステロイド剤が有効となります。
アトピー咳嗽も放置すると気管支喘息へと移行する可能性がありますので早めに治療を開始しましょう。
まとめ
夜になると咳が出て止まらないという場合、様々な原因が考えられます。
就寝時は、副交感神経の影響により日中よりも気道が狭くなるため、様々な原因による咳が日中よりも出やすくなっています。
咳が長く続く原因は、喉や鼻の病気の可能性が高いので、横向きに寝たり保湿したりしても効果がない場合は、耳鼻咽喉科で相談してみましょう。
原因に関わらず、咳で苦しい場合は就寝前にハチミツ紅茶を飲むと和らぎます。ぜひ試してみてください。
また、咳がなかなか治らないで悩んでいる方はぜひこちらの記事もご覧になってみてください。