下腹部痛と腰痛が同時に起こる!意外な原因を徹底解説
下腹部と腰で同時に痛みを生じると何が原因なのか判断することが難しく不安になってしまいます。
実際に、このような場合は内臓系の病気、筋肉や骨盤の異常などさまざまな原因が考えられます。
そこでここでは下腹部痛と腰痛が同時に現れる原因を症状に着目して分かりやすくお伝えしていきます。
内臓系の病気が原因の場合
下腹部や腰の近くには多くの内臓が位置しており、その内臓で炎症などが起きていることが原因で下腹部および腰に痛みが生じていることが考えられます。
下腹部や腰に痛みを及ぼす内臓系の病気はさまざまなものがあげられますが、ここでは代表的な病気を特徴的な症状とともにお伝えしていきます。
急性虫垂炎(盲腸)
大腸と小腸の境目あたりに盲腸があります。急性虫垂炎とは、盲腸の中にある虫垂という小さな臓器で炎症が起こることです。
原因は未だ明確にはなっていませんが、細菌やウイルスの侵入あるいは精神的ストレスが主な原因であると考えられています。
一般的に急性虫垂炎になると初期症状として、おへその付近で腹痛が起こり時間の経過とともに右下腹部へと痛みが移動していきます。
このときに腰にも痛みが生じることがあるのです。さらに、この際に吐き気や嘔吐、微熱(37〜38℃程度)が現れることがあります。
急性虫垂炎は早期発見が非常に大切なので、このような症状を感じたら医療機関で受診するようにしましょう。
消化性潰瘍
消化性潰瘍とは、ピロリ菌の感染などが原因で胃や十二指腸の粘膜が深く損傷してしまう病気です。
これにより、下腹部の痛みや腰痛が引き起こされます。他にも、吐き気、嘔吐、吐血、タール便などの症状を伴うケースが多いです。
膀胱炎
膀胱炎とは、大腸菌や腸球菌などの細菌が膀胱内に侵入し炎症を起こしてしまう病気です。
代表的な症状は下腹部の痛みと腰痛の他に、残尿感、頻尿、血尿、白濁尿などがあげられます。
一般的に若い女性で発症する確率が高くなっているので、女性の方は注意しなければなりません。
腹部大動脈瘤
大動脈とは、全身に血液を送り出す最大の動脈のことです。この大動脈の直径が腹部で1.5倍以上に拡張した状態のことを腹部大動脈瘤と言います。
腹部大動脈は女性よりも男性で発症する確率が高くなっています。
腹部大動脈瘤は症状の出にくい病気であるとされていて、下腹部痛や腰痛などの自覚症状が現れるときには症状がかなり進行してしまっていることが考えられます。
特に、高血圧、高齢、喫煙などが主なリスク因子としてあげあられ動脈硬化が大きく関係していると考えられています。
腰痛が原因の場合
下腹部の痛みと腰痛が同時に現れる場合でも、根本的な原因は腰にあるケースも多いです。つまり、腰の痛みが下腹部まで広がっていることがあるのです。
ここでは腰痛が原因のケースについてお伝えしていきます。
体の歪み
猫背になっていたり、体の重心が左右どちらかに傾いているなどして体が歪んでいると慢性的な腰痛の原因になり、下腹部のあたりにも痛みが生じることがあります。
このような体の歪みは、以下のような癖で起きていることほとんどです。
- 足を組んで座る
- いつも同じ側の肩にカバンをかける
- 片方の足に重心をかけて立つ
- 足を組んで立つ
このような普段の生活習慣の積み重ねで徐々に体が歪み、腰痛の原因となってしまうのです。
筋肉痛
重い荷物を運んだり、運動をしたことで腰周りで筋肉痛が起きていることも考えられます。
このような腰に負荷をかける運動をしていなくても、長時間悪い姿勢をしていることでも腰周りに筋肉痛が生じることもあるので注意しなければなりません。
腰の筋肉痛についてはこちらの記事で詳しくお伝えしていますのでぜひご覧ください。
参考:腰の筋肉痛に悩まされている人に絶対にやってもらいたい治し方
腰椎椎間板ヘルニア
重い荷物を持ち上げたり、激しいスポーツなどで腰への負担が大きくなると腰椎椎間板ヘルニアを発症し、腰痛および下腹部の痛みが生じることがあります。
20〜40代の活動性の高い方で発症確率が高くなっています。
女性特有の病気
月経痛(生理痛)
月経によるホルモンバランスの変化、あるいは喫煙や精神的ストレスにより下腹部の痛みおよび腰痛が生じることがあります。
子宮頸管炎
子宮頸管炎とは、子宮頸管に細菌やウイルスが感染したり、外的刺激により炎症を起こしてしまう病気です。
自覚症状がないケースも多いですが、下腹部痛や腰痛が代表的な症状としてあげられます。
子宮内膜症
子宮内膜症とは、子宮の内腔にしか存在しないはずの組織が子宮内以外の場所にできてしまう病気です。
特に20〜40代の女性で発症しやすくなっています。子宮内膜症になると下腹部痛や腰痛が起こります。