視界に黒い点が見える原因は飛蚊症?確認しておきたい3つの目の病気
ふと気づいたときに視界に黒い点のようなものが見える場合はどのようなことが原因となって目に影響を及ぼしているのでしょうか。
なにか目の病気になっているのではないかと感じてしまうところですが、多くの場合は飛蚊症であるケースが多いです。
しかし、もちろん中には重大な目の病気の初期症状であることも考えられるのでしっかりと症状を確認することをおすすめします。
そこで、ここでは視界に黒い点が見えるときの原因や病気、その対処法についてお伝えしていきます。
視界に黒い点が動く原因
視界に黒い点のようなものが見えると、なにか重大な目の病気なのではないかと不安になってしまいますよね。
しかし、多くの場合は眼精疲労や生理的な飛蚊症であることが多く、眼病(目の病気)が原因であることは少ないのです。
そこで、まずはここでは視界に黒い点が見えた場合に最も可能性が高い2つの原因をお伝えしていきます。
飛蚊症
まず最も可能性の高い原因が飛蚊症です。飛蚊症には、視界に小さな浮遊物が浮かんでいるように見えてしまう症状があります。
もちろん、この浮遊物は実際には存在していないのですが、飛蚊症になると視界にさまざまな形状の浮遊物が見えるようになるのです。
また、浮遊物は形状だけでなく、その色も多岐にわたります。
黒い点のようなもの、半透明の小さな輪っかのようなもの、白い線のようなもの、などいろいろな形状と色があるのです。
2種類の原因がある
このような症状がある飛蚊症は大きく分けて、「生理的な飛蚊症」と「目の病気が原因となっている飛蚊症」の2種類があります。
前者の生理的な飛蚊症の場合は、ストレスなど普段の日常生活で受けるさまざまなことが影響しています。
例えば、
- 紫外線による刺激
- ストレス
- 加齢
といったことが原因となって生理的飛蚊症を引き起こし、黒い点が見えてしまうのです。
もちろん紫外線やストレスは意識することなく誰しもが受けている刺激なので、飛蚊症になっても実際に何が原因で起きているのか分かりにくいということがあげられます。
これが「生理的」飛蚊症と言われている所以で、同じ紫外線やストレスを受けていたとしても体質や年齢によって飛蚊症のなりやすさも大きく変わってきます。
また、飛蚊症にはこのような生理的飛蚊症だけでなく眼病の初期症状としての飛蚊症も存在します。
この2種類の飛蚊症を症状によって分けることは難しいのですが、眼病の場合は視界に黒い点などの浮遊物が見えること以外にも目の痛みなどの症状があらわれるケースが多いです。
この眼病について詳しくは次章でお伝えしていきますね。
目の疲れ・眼精疲労
飛蚊症でなくても、ただ単に目を酷使しすぎて目の疲れがたまっていること自体が黒い点が見える原因となっていることもあります。
パソコンなどを長期間見ていて、視界がぼやけたり、目がかすんできたりしたことがある経験も多いはずです。このような眼精疲労によって視界が乱れることで黒い点のようなものが見えることもあるのです。
また、よく頭が痛くなる方は眼精疲労が原因であることもあります。こちらの記事も併せてチェックしておきましょう。
視界に黒い点が見える病気
網膜剥離
網膜剥離とは、目の奥にあるとても大切な組織である網膜が剥がれてしまったり、穴が空いてしまう病気です。
網膜があることで、私たちは目で見ることができるのです。なので、もし網膜に何か異常があったら視力に大きく影響することになります。
初期症状
網膜剥離を正しく治すためには初期症状をできるだけ早く自覚し、早期治療を行うことが大切です。
網膜剥離の初期症状には先述した飛蚊症の症状があげられます。視界に黒い点がたくさん飛んでいたり、半透明の糸くずのようなものが浮かんでいるように見えることもあります。
また、他にも視界がチカッっと一瞬明るい光が見えるという初期症状もあります。
これは光視症とも呼ばれていて、カメラのフラッシュがたかれたようなイメージが一番しっくりくると思います。
このように網膜剥離の場合は目に痛みなどは起こりにくく、視界に異常があらわれるという初期症状が多いです。生理的飛蚊症と間違えやすいので注意するようにしましょう。
緑内障
緑内障とは、徐々に視界が狭くなり見えない部分が広がっていく眼病です。
この症状は数年〜10年以上のペースで進行していくので、視界が狭まっても意外と気づかないことが多いのです。
ただ、緑内障にも急性緑内障と慢性緑内障が存在し、急性の場合は症状が急にあらわれることが多いです。
そして、この緑内障の初期症状のひとつとして、飛蚊症のように視界に黒い点が見えることがあります。
また、他にも
- 頭痛
- 目の痛み
- 充血
- 視界がかすむ
といった初期症状もあげられます。
特に目の痛みは緑内障だけでなくさまざまな病気の初期症状にあげられるので気をつけたい症状となります。
参考:目の下が痛いときに必ずチェックすべき原因一覧!注意すべき病気を教えます
硝子体出血
なかなか聞いたことがない病名かと思いますが、硝子体出血とは眼球の内部にあるゼリー状の液体である硝子体に血液が入り込んでしまう病気です。
そもそも硝子体に血管は通っていないので、血液が入り込んでしまうことは少ないのですが網膜上にある血管が破れて血液が硝子体に入ってしまうのです。
硝子体に血液が入ってしまうと、その血液が視界にうつりこんでしまうことになるので、視界に黒い斑点があらわれたり、かすんだり、ゴミのようなものが見えるといった症状があらわれるのです。
このような症状だけであれば生理的飛蚊症ともあまり変わらないのですが、出血が多くなってくるとその分、硝子体内の血液量も増えてしまい視力が落ちてしまうこともあるのです。
また、例えばある一箇所に出血が偏っているとその一部分だけ暗くなったり、視界が欠けたりすることもあるのです。
視界に黒い点が見えたときの治し方・対策法
パソコンで目の酷使をしない
仕事などでパソコンを長時間見る生活を毎日続けていないでしょうか。もちろん仕事でパソコンを使う機会は多く、避けられないことだと思います。
しかし、そのような生活を続けていると目に大きな負担がかかり、飛蚊症や眼精疲労、その他の目の病気の原因ともなってしまうのです。
パソコンを長期間使うことが避けられないのであれば、たまに目を休めてあげるようにしましょう。
例えば、1時間パソコンを見続けたら5分間、目を休めてあげるだけでもかなりの効果が期待できます。
目の疲れをとってあげる具体的な方法としては以下のようなことがあります。
- 遠くの景色を見る
- 目頭のツボを軽く指で押す
- 目をぐるぐる回し、目の周りの筋肉をほぐす
- ホットアイマスクを使う
どれも簡単にできる対処法なのでぜひ試してみてくださいね。
姿勢を良くする
猫背のように背中を丸めてデスクワークをしていることは、目に大きな負担をかける原因ともなります。
日頃から姿勢を良くすることを意識するだけで、視界のぼやけや黒い点が見えてしまうことの予防・対策となるでしょう。
参考:目がしょぼしょぼする3つの原因!その疲れをスッと取る方法とは?
目を紫外線から守る
目に紫外線を多く当てることは飛蚊症の原因となってしまいます。
紫外線が網膜を通ることで活性酸素という物質が発生してしまい、他のタンパク質などが酸化され飛蚊症が起きてしまうのです。
そこで、多くの紫外線が目に入らないようにすることで視界に黒い点が見えないようにする対策とすることができます。
特に、日中よく外で活動することが多い人は帽子をかぶったり、サングラスをつけたりして紫外線をシャットアウトしてしまうことが有効です。
食生活の改善
即効性は期待できませんが、食事で目に良い栄養素を摂取することも対策につながります。
具体的には、硝子体に発生する活性酸素を排出する効果のある栄養素を積極的に摂取していくといいでしょう。
この活性酸素は飛蚊症の原因物質となるので、活性酸素を取り除いてあげることで飛蚊症の対処ができるのです。
このような栄養素を含む食材としては、大豆食品、小麦、アーモンドなどがあげられます。
視界に黒い点が見えたら生理的飛蚊症の可能性大
視界に黒い点が見えたときの原因やその対処法についてお伝えしてきました。さまざまな原因や病気が考えらますが、多くのケースでは生理的飛蚊症が疑われます。
生理的飛蚊症の場合は放っておけば自然治癒されることが多く、目に異常を及ぼすことはありません。
しかし、飛蚊症のような症状が長期間にわたり続く場合や目の痛みなど他の症状があらわれた場合は眼科で診察を受けるようにしましょう。