【便秘薬】酸化マグネシウムの効果と副作用を分かりやすく!
便秘を解消するためによく使用されるのが酸化マグネシウムです。これは市販薬にも含まれているので、病院で処方してもらわなくても手に入れることができます。
よって、手軽で比較的副作用も少ない便秘薬として多くの人に使用されてきているのです。
しかし、持病を持っている方などは重い副作用が出てしまうことがあるので注意しなければなりません。
そこで、ここでは便秘薬として有効な酸化マグネシウムの効果や副作用などについてお伝えしていきたいと思います。
酸化マグネシウムが便秘に効果的な理由
酸化マグネシウムは、商品名としてはマグミットあるいはマグラックスと呼ばれています。
どうして、この酸化マグネシウムを服用すると便秘に効果が出るのでしょうか。分かりやすく解説していきたいと思います。
腸内に水分を補給する
酸化マグネシウムには腸内に水分を送り込む働きがあります。
酸化マグネシウムを口から服用し、胃を通過して腸にたどりつくまでに酸化マグネシウムは炭酸マグネシウムという成分に変わっています。
こうして腸内に炭酸マグネシウムが多くなると、腸内と腸の外で濃度差が生じます。つまり、腸の中では濃度が高いのに、腸の外では濃度が低い状態になってしまうのです。
私たちの体では、浸透力といってこの濃度差をなくすような力が働きます。腸内の方が濃度が高いので、腸の外側から内側へ水分を送り込めば、この濃度差は縮まっていきますね。
まとめると、酸化マグネシウムが炭酸マグネシウムに変わって腸の内側と外側を同じ濃度にするために、腸内に水分が送り込まれるのです。
水分により便が柔らかくなっていく
便秘になってしまうのは、便が水分不足になってしまうことが大きな原因です。水分が少ない便は、硬くなり、大きさも小さくなってしまいます。
腸内に水分が補給されると、たまっている便が水分を含み、柔らかくなるとともに容積も大きくなっていきます。
便が柔らかくなると、より排出されやすくなります。それに加えて、容積が大きくなると腸管を刺激するため、その効果により排便が促進されていくのです。
こうした作用機序により、酸化マグネシウム(マグミット、マグラックス)は便秘を改善する薬として広く用いられているのですね。
副作用
酸化マグネシウムは副作用が少なく、値段も安価なため、便秘を改善するための薬としては最も使われています。
しかし、服用するときに注意しなければならない点がいくつかあるのでお伝えしたいと思います。
下痢
まず、注意しなければならないのは下痢です。先ほども紹介したように、酸化マグネシウムは腸内に水分を送り込みます。
よって、その作用が強すぎると、水分が多くなりすぎてしまい下痢となってしまうのです。
これは、腹痛を伴うこともあるので注意しなければなりません。
高マグネシウム血症
高マグネシウム血症という病気は、血液中のマグネシウム濃度が高くなりすぎてしまうことにより起こる病気です。
健常の方なら、発症する可能性はほとんどないのですが、腎臓が悪い方は注意しなければなりません。
腎臓が悪いと、酸化マグネシウムに含まれるマグネシウムが正常に排出されずに、血液中に残ってしまうからです。
高マグネシウム血症になると、吐き気や息切れ、血圧低下などが起こってしまいます。
ミルク・アルカリ症候群
酸化マグネシウムを服用しているときは、牛乳などを飲みすぎたりして、カルシウムを多く取りすぎないようにしなければなりません。
ミルク・アルカリ症候群は高カルシウム血症に含まれます。つまり、血液中のカルシウム濃度が上がりすぎてしまうことが原因です。
高カルシウム血症になってしまうと、体がだるくなったり、吐き気がしたり、便秘がひどくなったりといった症状があらわれます。
カルシウムの取りすぎとして、最も考えられるのは牛乳を飲みすぎてしまうことです。1日に牛乳パック1本(1L)は飲まないようにしましょうね。
他にも、心臓が悪い方、腸が悪い方、他の薬を服用している方などは思わぬ副作用があらわれてしまう可能性があるので、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。
まとめ
今回は、便秘薬の酸化マグネシウムの効果や副作用について紹介しました。便秘を改善するために用いられる薬は酸化マグネシウムであることがとても多いです。
どのような効果があるのか理解したうえで、副作用についても頭の片隅に入れておくことが大切です。