膝を曲げると痛い5つの原因!徹底的に解説!
膝は日常生活において重要な役割を果たしています。立ったり、座ったり、階段を上がったり降りたり、という基本的な動作は膝の役割が大きいのです。
普段自然に膝を曲げたり伸ばしたりしていますが、その時痛みが生じると生活は一変します。
膝の痛みがあると非常に不便で、大きなストレスにもなりますね。ここでは、膝を曲げると痛みが出る5つの原因をご紹介します。
膝の役割
膝は足の可動性・体の支持という2つの大きな役割があります。
歩行や正座などの動きには、膝の可動性が重要な働きをします。立ったり、歩いたり、走ったり…という動作では体を支持し、膝で体重の負荷を分散させる働きがあります。
膝は、筋肉・腱・骨・軟骨などが集まっており、それぞれがバランスよく機能することで役割を果たすことができます。膝に無理な負荷を与えると様々な角度から痛みという形でサインを出します。
このサインを見逃すと、日常生活での活動範囲が狭くなってしまいます。膝の出すサインをしっかり受け止め、早めに対応するようにしたいですね。
膝の内側が痛い症状
まずは、膝の内側つまり裏側が痛いときの症状についてお伝えしたいと思います。
鵞足炎(がそくえん)
膝の内側には筋肉につながる腱が集中した鵞足というところがあります。鵞足は腱と骨がこすれる位置なので炎症を起こしやすい部分と言えます。この部分に炎症が起こることを鵞足炎といいます。
鵞足炎は、鵞足に繰り返し負担をかけることで発症します。サッカー・バスケットボール・水泳(平泳ぎ)など、繰り返し膝に負担がかかるスポーツをしたり、重心が内側にかかる靴を履き続けたりすると発症します。
急な運動などで発症した軽症の場合は、膝を休めることで自然に治ります。痛みが強い場合はアイシングをすると良いでしょう。
鵞足炎は再発することが多い病気です。スポーツなどが原因で発症すると、一度痛みが引いたら再度トレーニングを開始するので慢性化することもあります。
慢性化した場合は、痛みが強い時を除き、温めたりマッサージをしたりして血行をよくするようにしましょう。
鵞足炎では膝を曲げ伸ばしした時や押した時などに、膝の内側から膝下にかけて痛みが出ます。特に膝を伸ばしきった時に強い痛みを感じることが多いです。
内側側幅靭帯損傷
膝の内側の靭帯を損傷するもので、軽度のものを一般的に捻挫といいます。内側側幅靭帯損傷は膝の内側が伸ばされた時に発症します。患部が腫れたり痛みが出たりします。
サポーターをしたり、冷やすと早く治りますが、早い段階で処置を行わないと、半月板を損傷することもありますので注意が必要です。我慢せず、早めに治療が必要です。
半月板損傷
半月板は膝の内側と外側に1枚ずつあり、クッションの役割をして膝関節の動きをスムーズにする働きがあります。内側の半月板は外側の半月板よりも損傷することが多いです。
捻挫などを放置していると、内側の半月板を損傷することがあります。半月板を損傷した場合、サポーターなどで固定し、安静に過ごすことで改善されることが多いのです。
そして痛みや症状によっては、関節液を抜く関節穿刺やステロイド剤の注入、ヒアルロン酸注射などの治療を行うこともあります。
慢性化した場合は手術で半月板を切除したり、損傷部分を縫合するなどの処置をします。しかし手術をしても完治するわけではなく、痛みや症状を軽減するだけとなります。
変形性膝関節症(へんけいせいしつかんせつしょう)
変形性膝関節長は、日本人に非常に多い関節症状です。加齢・肥満などにより関節部分の軟骨がすり減ってしまうことで痛みが生じます。O脚やX脚により軟骨のすり減るスピードが早くなる場合もあります。
関節軟骨には血管が通っておらず、血管が集まっている骨や筋肉と比べると十分な栄養が供給されません。
骨や筋肉は炎症を起こしても再生しますが、関節軟骨は十分な栄養が供給されないため、再生が追いつきません。
そのため長い年月をかけて軟骨がすり減ってくると、曲げる時に痛みが生じるのです。
日本人は脚が外側に湾曲するO脚が多いため、重心が内側になり、内側の軟骨がすり減りやすくなります。
逆に脚が内側に湾曲するX脚の人は、重心が外側になり、外側の軟骨がすり減りやすくなります。曲げた時に内側が痛い人と外側が痛い人がいるのはそのためです。内側が痛い人が多いのはO脚の人が多いからです。
対処法としては、関節軟骨は再生しにくいので、元通りの状態に戻すことは困難です。
しかし、痛みがあるからと安静に過ごすばかりでは、その部分の筋力は低下し関節が固まって来て、さらに痛みは増してしまいます。
できるだけ痛みを生じないように注意しながら、膝関節の筋肉を適度に動かすよう心がけましょう。
膝の外側が痛い症状
続いて、膝の外側に痛みを感じる場合の症状について紹介したいと思います。
腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん)
腸脛靭帯は、太ももの外側を覆い膝下にある脛骨までつながっている長い靭帯です。この腸脛靭帯で炎症を起こすと、膝の外側に痛みが生じ、曲げ伸ばし時に痛みが出ます。
長距離ランナーに多い症状で、外側に体重をかける癖のある人は要注意です。
腸脛靭帯炎になった場合はまず安静にしましょう。痛みが強い場合は患部を冷やしたり、消炎鎮痛薬を塗布すると和らぎます。痛みが和らいできたら次は無理のないように患部を伸ばしてあげましょう。
腸脛靭帯炎は膝の外側に繰り返し負担をかけることで起こります。運動前の準備運動が十分できていないことも大きな原因の1つです。
また、O脚や合わない靴など、外側に体重がかかる要素を取り除くことで改善されることもあります。再発を防ぐためにも病気の原因をしっかり把握することが大切です。
その他の膝のトラブル
膝の内側・外側が痛い症状の他にも様々な膝トラブルがあります。
軟骨の間に骨のかけらが挟まって痛みを生じる滑膜骨軟骨腫症(かつまくこつなんこつしゅしょう)は、発生頻度は少なく原因も解明されていない症状です。
これはX線撮影で骨のかけらが写り発見されます。手術で骨のかけらをすべて取り除くと痛みはなくなり、元通りの生活ができ、運動も可能になります。
膝の皿がズレているような感覚になる膝蓋大腿関節症(しつがいだいたいかんせつしょう)は加齢などにより骨が変形することで生じる病気です。
膝の不安定さを感じたり、時々膝の皿が外れるなどする膝蓋骨不安定症も加齢などが原因となる病気です。
まとめ
膝は日常生活を送る上で非常に大きな役割を担っています。膝に無理な負荷を与えると様々な痛みでサインを出します。
膝を曲げると内側が痛い症状には、鵞足炎(がそくえん)・内側側幅靭帯損傷(ないそくそくふくじんたいそんしょう)(いわゆる捻挫)・半月板損傷(はんげつばんそんしょう)・変形性膝関節症(へんけいせいしつかんせつしょう)などがあります。
膝を曲げると外側が痛い症状には、腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん)などがあります。
これらの症状は、膝に大きな負荷をかける、膝に繰り返し負荷をかける、膝に偏った負荷をかける、などの原因で生じています。
自身の膝にかかる負担がどのようなものかを把握し、少しでも負担がかからないように心がけ、膝の出す痛みというサインを見逃さないようにしましょう。