後頭部にしこりやこぶができる原因一覧!痛みの違いで分かる病気。
気づいたら後頭部に原因不明のこぶのようなしこりがあるときは何が原因と考えられるのでしょうか。
痛みがある場合、痛くない場合など症状に合わせてさまざまな原因や病気が考えられるのでしっかりとチェックしていく必要があります。
そこで、ここでは後頭部にしこりやこぶができる原因や病気、対処法についてお伝えしていきます。
後頭部にこぶのようなしこりができる原因
後頭部にしこりやこぶができるときはさまざまな原因が考えられます。そこで、ここでは痛みがある場合、押すと痛みが出る場合、痛みを感じない場合の3種類のケースに分けてお伝えしていきます。
ご自身の症状に合わせてチェックしてみてください。
痛い場合
打撲による内出血
打撲による内出血とはいわゆる「たんこぶ」です。頭に外部から衝撃を受けると、頭蓋骨と皮膚の下に血液やリンパ液が入り、ボコッと膨れたたんこぶができてしまいます。
後頭部のあたりをぶつけてしまったなどの心当たりがある場合は、たんこぶである可能性が高いです。
また、寝ている間などに気づかずに頭をぶつけている可能性も考えられるので注意しなければなりません。
筋肉の緊張による痛み
デスクワークなどで長時間同じ姿勢をとっていたりすると、筋肉が疲労し緊張状態になってしまいます。
筋肉が緊張状態になるということは、筋肉が凝り固まってしまうということであり、これが後頭部のしこりになってしまうのです。
特に肩こりや首こりなどが併発している場合は、長時間の緊張状態が原因となっている疑いが持たれます。
リンパ節の腫れ
リンパ節は、首まわりに多くあります。体内に侵入した細菌やウイルスを退治するときに、このリンパ節が腫れてしまうのです。
- 風邪のような症状がある
- 首にも腫れがある
- 後頭部の下の方が腫れている
特に上記のような症状が見られる場合は、リンパ節の腫れが原因であると考えられます。
押すと痛い場合
粉瘤(アテローム)
粉瘤はアテロームとも呼ばれる皮膚の良性腫瘍です。古くなった角質や皮脂が溜まっていくことでしこりのような状態になるのです。
大きさは数mmから数十cmと幅広く、後頭部だけでなく体中のさまざまな部位にできる可能性があるのが特徴です。
良性腫瘍なので、放っておいて何か悪影響があるという腫瘍ではないですが、押すと痛みが生じる場合があるので注意が必要です。
また、放置しておくとどんどん大きくなってしまうこともあるので、発見したら早めに病院で切除してもらうことをおすすめします。
さらに、化膿したり臭いを放つこともあります。
脂肪腫
脂肪腫も粉瘤と同様に良性腫瘍で、簡単にいうと「脂肪のかたまり」です。なので、化膿したり臭いを放つことはなく、この点でいえば粉瘤よりも無害であるといえます。
通常痛みが生じることはありませんが、押すことで下部組織が圧迫されて痛みが生じることもあります。
脂肪肉腫
脂肪腫と名前が似ていますが、脂肪肉腫は悪性腫瘍です。急にこぶが大きくなった場合は脂肪肉腫に注意しなくてはいけません。
比較的発生頻度が低い悪性腫瘍ですが、急激なこぶの膨らみには気をつけなければなりません。
痛くない場合
石灰化上皮腫
石灰化上皮腫は、良性の腫瘍で子供や若い世代で生じることが多い腫瘍となっています。腫瘍の一部が石灰化して、白っぽい黄色や黒ずみが透けて見えることがあります。
さらに、指で押すと腫瘍を動かすことができるのが特徴です。またほとんどのケースで触ったりしても痛みが生じることがありません。
除去するには摘出手術を行う必要があります。後頭部にできて気になる場合は病院で相談するようにしましょう。
後頭部にこぶやしこりができる病気
毛包炎
毛包炎とは、毛穴に外部から侵入した菌が繁殖してしまい炎症を起こしてしまう皮膚の病気です。
特にマラセチア菌が毛穴に繁殖することで炎症を起こしてしまったものがマラセチア毛包炎といわれています。
毛穴での炎症を起こし、膿が溜まってしまうとしこりのように腫れることがあります。ただ、比較的小さなしこりで多数がぶつぶつしているようなイメージです。
毛包炎が起こると、患部でかゆみや痛みといった症状があらわれます。また、悪化するとブツブツの部分が硬くなったり、発熱したりするようになります。
特に後頭部は寝ているときに、長時間まくらに接触している部分です。夏場などに汗をかいていると、後頭部に毛包炎ができやすくなってしまうのです。
がん(頭頚部腫瘍)
甲状腺がん、耳下腺がん、咽頭がんなどのがんの前兆として後頭部にしこりが表れているケースも考えられます。
発症頻度としてはかなり稀ですが、しこりが継続的に続くようであれば病院で検査してもらうようにしましょう。
後頭部にしこりができたときの対処法
マッサージを行う
後頭部の原因不明なしこりは、筋肉の緊張によるものが多いためまずはマッサージを行っていくといいでしょう。
しこりの周囲を中心的に指で優しくマッサージしていきます。ただし、このときに痛みが出るような場合は症状が悪化してしまいますので控えるようにしてください。
また、後頭部だけでなく肩や首の筋肉を揉みほぐすようにマッサージしていくことも効果的です。
以下の記事でもお伝えしているように、肩こりがひどいと頭の方にもさまざまな症状が表れてしまうのです。
冷やす
炎症による腫れの場合は、患部を冷やすことで炎症を抑えることができ症状の緩和につながります。
氷水に浸したタオルなどをしこりに当てるようにしましょう。
病院へ行く
しこりやこぶが1週間以上なくならないような場合、痛みが激しい場合などは病院で受診するようにしましょう。
後頭部のこぶは何科を受診すればいいのか迷ってしまいますが、基本的には脳神経外科が適切でしょう。
特に筋肉の緊張などに心当たりがある場合は脳神経外科がいいですね。
一方で、毛包炎や粉瘤など皮膚に異常があるような場合は皮膚科を受診してください。かゆみがある場合も皮膚科がいいでしょう。
また、鼻水が出ていたり、リンパ節の腫れが疑われる場合は耳鼻科を受診するようにしてください。
後頭部にしこりができないようにする予防法
こまめに休憩する
仕事でデスクワークをしていて、長時間同じ姿勢をしていると筋肉が緊張し、後頭部のしこりの原因となってしまいます。
このとき、こまめに休憩をとって体を伸ばしたりすることで体に疲労が溜まってしまうことを防ぐことができます。
頭部を清潔に保つ
特に夏場は後頭部に汗が溜まりやすく、細菌が繁殖しやすい環境になってしまいがちです。
しっかりとシャンプーをしたり、汗を流したり頭部を清潔に保つことで皮膚トラブルは予防することが可能です。
1週間経ってもしこりやこぶが消えない場合は病院で治療を!
後頭部にしこりやこぶができてしまうさまざまな原因をお伝えしました。基本的には、後頭部にできるしこりは1週間ほどしたら自然に消えていくことが多いです。
しかし、1週間以上経っても症状が収まらない場合は、何か特別な原因や病気が疑われますので病院を受診し、必要であれば適切な治療をしてもらうようにしましょう。