恥骨骨折の症状と治療について分かりやすく解説

ストレッチ

骨盤の前面、股の上あたりにある骨に痛みを感じる場合は恥骨骨折の疑いが持たれます。

恥骨骨折は、激しい運動による疲労や打撲などの衝撃によって意外と起こりうる骨折です。特に歩いたりするときにズキズキと痛みがするため早期に治療したい骨折となっています。

そこで、ここでは恥骨骨折の症状や治療などについて分かりやすくお伝えしていきます。

スポンサーリンク

 

恥骨とは

恥骨とは骨盤の前面を形成している骨の一部で、ちょうど股の上あたりに位置しています。

おへそから真っ直ぐ、下腹部の下の方を触っていくと骨が少し出っ張っている部分があります。この部分が恥骨にあたります。

骨盤の形は男女で違うため、恥骨の大きさや形も男女で少し異なっているのです。

 

恥骨骨折の症状

足に手を当てている人

上述した骨盤前面の下方を構成する恥骨が骨折してしまうと以下のような症状があらわれます。

  • 安静時にも痛みがする
  • 歩行や立ち上がる動作など足の付け根を動かす動作によって痛みが激しくなる
  • 患部が赤くなったり、腫れたりする
  • 悪化すると血尿や血便を伴う

 

骨の箇所によって骨折の痛みは大きく変わってきます。例えば、肋骨の場合は骨が折れていたり、ひびが入っていたりしてもそこまで痛みを感じないケースも多いです。

しかし、恥骨骨折の場合は安静時でも鈍い痛みがすることがほとんどで日常生活にも大きな影響を与えます。

 

特に歩いたり、起き上がったりといったよく行う動作で痛みが強くなるので非常にやっかいです。

また、痛みだけでなく患部が腫れたり赤くなったり、目に見える変化があらわれることもあります。

さらに症状が悪化したり、折れた骨の位置が悪いと近くの血管を傷つけてしまい、それにより血尿や血便が起きてしまうケースもあるのです。

 

このように恥骨骨折は痛みを中心に比較的重い症状を伴います。ただ、恥骨のあたりに痛みが生じるからといって骨折が起きているとすぐに断定する必要はありません。

恥骨が痛くなる病気は他にも存在するのです。(詳しくは後述します。)

なので、恥骨の痛みの症状が骨折によるものなのか判断するためにも、しっかりと恥骨骨折に至る原因を理解しておきましょう。

スポンサーリンク

恥骨骨折になってしまう3つの原因

恥骨を骨折してしまう原因は主に疲労骨折、打撲や転倒による衝撃、骨粗鬆症の3つがあげられます。

 

疲労骨折

恥骨骨折で最も多い原因が疲労によるものです。

よくランニングをしていたり、サッカーやバスケットボール、テニスなどのスポーツをよく行っている場合は恥骨に激しい負担がかかります。

 

運動を行うとき、筋肉のケアはしっかりと行う方が多いですが骨のケアを行う人はあまりいません。

運動する前にしっかりと準備運動などをしておけば恥骨の疲労骨折は予防することができます。

しっかりと股関節を伸ばす体操を行い、筋を和らげておくことで恥骨への衝撃を軽減させ疲労骨折を防ぐことができるのです。

 

また、恥骨の疲労骨折は男性よりも女性に多いとされています。これは上述したように男性と女性で骨盤の形が違うことが影響しています。

女性の骨盤は男性よりも横に幅広いので恥骨骨折が起きやすくなっているのです。

 

打撲などによる衝撃

恥骨のあたりを強くぶつけたり、高いところから着地したりすると恥骨に強い衝撃が加わり、それが原因で骨折してしまうことも多いです。

例えば、自転車を運転していて急ブレーキをしてしまい、恥骨に衝撃が加わるといったケースがあります。

このような衝撃による恥骨骨折の場合は、その心当たりがあるはずなので痛みがする場合はすぐ整形外科に受診するようにしましょう。

 

骨粗鬆症

本来、恥骨は骨盤を構成しているためかなり固い骨のはずです。しかし、骨粗鬆症により骨がスカスカになっていると少しの衝撃で骨折してしまったり、ひびが入ったりします。

骨粗鬆症は50代以降の高齢者に起きやすい病気となっていますが、近年は食生活の激しい偏りなどが原因で若い世代でも骨粗鬆症になってしまうケースもあります。

また、骨粗鬆症はあるラインに達したら発症するのではなく、少しずつ骨がスカスカになっていき、気づいたらかなり悪化してしまうような病気なので注意しなければなりません。

スポンサーリンク

恥骨骨折の治療

恥骨骨折の治療は基本的に自然治癒による対症療法で行われます。痛み止めなどを服用し、できるだけ安静にしておくことで一般には1ヶ月ほどの期間で治ってきます。

ただ、1ヶ月を過ぎてもまだ完治しているわけではないので違和感や動作時に軽い痛みが数ヶ月続くことも多いです。

なので、恥骨骨折が疑われたらまずは整形外科を受診し、スポーツや運動は行わずできるだけ安静にしておくことが大切です。

 

恥骨骨折と間違いやすい恥骨炎という病気について

柵をつかんでいる女の人

冒頭で恥骨に痛みがするのは、恥骨骨折だけではないとお伝えしました。他にも恥骨炎(恥骨結合炎)という病気が存在します。

これは左右の恥骨をつなぐ恥骨結合という部位で炎症を起こしてしまう病気です。激しい運動や出産などが原因となって、炎症が起き、痛みを伴うのです。

恥骨炎は、恥骨結合の骨の形成が未熟な20歳前後で起こりやすい病気です。特に部活動やサークルなどでのスポーツ活動、趣味でマラソンなどを行っている場合は注意が必要です。

 

他にも、恥骨付近に痛みがしても恥骨に異常があるのではなく、他の臓器や筋肉で痛みが生じていることもあります。恥骨周囲の足の付け根はさまざまな原因で痛みが生じやすい部位になっていますので、こちらの記事も参考にしてください。

参考:足の付け根のしこりが痛い!注意すべき4つの原因

スポンサーリンク

サブコンテンツ