痰と鼻水が止まらない原因!病気のサインを見逃すな!
痰と鼻水がなかなか止まらない症状に悩まされているときは、ただの風邪だけではなくさまざまな感染症などが要因となっていることが疑われます。
対処にしていくにあたってまず行うべきことは、痰や鼻水はどのような色をしているのか、どのくらいの量が出るのか、などの自覚症状をしっかりと確認することです。
このような症状をチェックしたうえで、痰と鼻水が出てくる原因について解明していきましょう。ここでは主に痰の色で場合分けして原因についてお伝えしていきます。
痰と鼻水の違い
まずはそれぞれの定義を見ていきましょう。
- 痰:呼吸器(気管や気管支など肺につながる気道)で分泌される粘液
- 鼻水:鼻(鼻腔)から分泌される粘液
つまり、痰と鼻水はどちらのネバネバとした液体ですが分泌される場所が異なります。痰は、気管がある喉で主に分泌されるのに対し、鼻水は鼻の粘膜で分泌されます。
鼻水が喉の方に流れてしまう後鼻漏という現象で、喉の奥に鼻水が溜まってしまうこともありますが、それは定義上「痰」ではなく「鼻水」です。
また、痰も鼻水も機能的な働きは同じです。
つまり、どちらも外部からの異物(細菌やウイルスなど)を体内に侵入させないようにする役割があるのです。
鼻や口からウイルスなどの異物が侵入しようとしてきますが、鼻水や痰などの粘液でこれらを絡め取り、外へ排出するのです。
なので、風邪やアレルギーで鼻や喉の粘膜で炎症を起こしていると、異物に対する身体の抵抗力が低下するため鼻水や痰が多く分泌されるようになります。
痰と鼻水の見分け方
後鼻漏によって喉の奥に鼻水が溜まると痰と区別が難しくなってしまいます。
鼻水と痰の区別がつかないと疑われる病気も異なってくるので、対処法も違ってきます。なので、しっかりと痰と鼻水は区別するようにしなければなりません。
一番簡単な痰と鼻水の見分け方としては、顔を下に向けたときに口の方に鼻水が流れてくるような感覚がある場合は、後鼻漏による鼻水である可能性が高いです。
痰は鼻水よりも粘性が高く気管に強く付着しているため、顔を下に向けただけで出てくることはなかなかありません。
しかし、後鼻漏による鼻水の場合は、顔を下に向けると重力によって口の方に鼻水が流れてくることが多いのです。
痰の色から判別する痰と鼻水が出る原因
白色・黄色
痰が白色や黄色っぽくなる場合は、気道や肺に細菌やウイルスが侵入し感染してしまっていることが考えられます。
また、鼻の粘膜に細菌などが感染し炎症を起こしている場合は鼻水も白色や黄色っぽくなります。
痰が白色や黄色になるときに考えられる具体的な原因は、急性咽頭炎、急性気管支炎、急性肺炎、副鼻腔炎などがあげられます。
急性咽頭炎は喉の奥にある咽頭で、急性気管支炎は気管支で、急性肺炎は肺で、それぞれウイルスや細菌などの病原体が感染することが発症します。
これらの病気を発症すると、白〜黄色っぽい痰、鼻水、咳などの症状が出てきます。また、悪化すると発熱や倦怠感などの全身症状も現れてきます。
また、これらの炎症はまず初めに感染力が高いウイルスが感染することで発症するケースが多いです。ウイルスのみの感染による場合は痰の色は白色〜透明です。
ただ、ウイルスの感染により免疫力が低下し、それにより細菌の二次感染を起こすと痰の色はどんどん黄色っぽくなっていくことが特徴です。
つまり、症状が悪化するにつれて痰や鼻水の色は黄色っぽくなっていきます。
さらに、「副鼻腔炎」という副鼻腔で起こる炎症でも黄色っぽい鼻水や痰が出てきます。
副鼻腔は鼻の奥に位置する空洞で、この部分で細菌が感染してしまうことで発症します。
透明
痰に色がついていなく透明の場合は、アレルギーによる炎症やウイルスの感染症、あるいは後鼻漏が原因であると考えられます。
具体的にはアレルギー性気管支炎、非細菌性感染症、後鼻漏といった病気があげられます。
アレルギー性気管支炎とは、ハウスダストや花粉などのアレルギー原因物質(アレルゲン)が気管などに付着することで炎症を起こしてしまう病気です。
一方、非細菌性感染症とは上述した急性気管支炎や急性咽頭炎で細菌感染が起こらずに、ウイルスなどによる感染でとどまっている病気の総称のことです。
細菌による二次感染が起こらずにウイルスのみの感染の場合は痰や鼻水は透明の状態であるケースが多いのです。
また、後鼻漏によって鼻から喉に流れた鼻水が痰のように感じている場合もあります。冒頭でお伝えしたように後鼻漏で喉の奥に溜まった粘液は「痰」ではなく「鼻水」です。
透明な鼻水が痰だと勘違いしてしまうケースもあるのです。後鼻漏の原因や治し方についてはこちらをご覧ください。
参考:後鼻漏の4つの原因をチェック!効果的な治し方を紹介します
緑色
緑色の痰が出る場合は、慢性の気管支炎やある特別な種類の細菌による感染症などがあげられます。
このような場合は自然治癒することはまずありませんので、緑色の痰が出た場合は耳鼻咽頭科を受診するようにしましょう。
赤色(痰に血が混じっている)
痰が赤っぽく滲んでいたり、ピンク色や茶色っぽくなっている場合は痰に血が混じっていることが考えられます。
喉の粘膜はデリケートなので炎症により粘膜から出血してしまうことはたまにあります。他にも、気管支や肺から出血しているケースも疑われます。
なので、痰が赤色っぽくなっている場合もできるだけ早く耳鼻咽頭科を受診するようにしましょう。
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