足の甲の疲労骨折が痛い!気になる2つの症状とは?
足の甲が痛いけど、動けないわけではないし、練習を休みたくないと思い放置していると、いっこうに治らない、ということはありませんか?
それは足の甲の疲労骨折かもしれません。
疲労骨折は最初は痛みも少なく気づかない方も多いようですが、放っておくと症状は悪化し、返って治療に時間がかかることもあります。
ここでは足の甲の疲労骨折の症状についてお伝えしていきます。思い当たる方はいませんか。確認してみましょう。
疲労骨折とは
疲労骨折は、通常は骨折までしないような軽い負荷が同じ部位に繰り返しかかることで起こります。繰り返しトレーニングを積むスポーツ選手に多く見られます。
初期はレントゲンで見てもわからないことが多いのですが、繰り返し負荷を与えると症状は悪化し、治療に時間がかかることもあります。
疲労骨折は、脛骨・中足骨・有鉤骨・中手骨・肋骨・上腕骨・腰椎など、行うスポーツによって様々な部位で生じます。
足の甲で生じる中足骨疲労骨折(ちゅうそくこつひろうこっせつ)は、マラソンやサッカーなどのスポーツ選手に多い症状です。
中足骨疲労骨折
中足骨は足の指の延長上の甲のあたりに2本あります。マラソンやサッカーなど、走るトレーニングが多いスポーツをしていると、人差し指と中指に負担がかかりやすく、疲労骨折を起こしやすくなります。
疲労骨折の症状は、痛み・腫れの2つが主です。
痛み
疲労骨折を起こすと、その部位に痛みが出ますが内出血はありません。初めは気づかないほどのちょっとした違和感が出て、その部位を押すと強い痛みが出ます。
運動していない時には痛みはほとんどありません。運動を始めると、最初は強い痛みが出ます。運動を続けていると痛みが軽くなり、運動後にまた強い痛みが出ます。
このように常に痛みがあるわけではないので、病院に行かずに済ませてしまう方が多いのです。実際、初期の段階で病院に行ってレントゲンを撮っても発見されないことが多いのです。
また、足の指の方にも痛みが出ることもありますので、こちらも参考にしてみてください。
→【足の指が痛い!考えられる3つの病気とは?】
腫れ
疲労骨折になっても、すぐに患部は腫れません。披露結節による腫れは、炎症によるものではなく、骨の修復の過程で生じる腫れだからです。
足の甲に腫れがある場合は、病状が進行していると思われます。すぐに運動を中止し、足に負荷のかからないメニューに変更しましょう。
この段階であれば、レントゲンで患部に異常が見られます。しっかり修復されるまでは患部に負荷をかけないようにしましょう。
Jones骨折
人差し指と中指の中足骨には負担がかかりやすいため疲労骨折を起こしやすいとされていますが、小指の第5中足骨も疲労骨折を起こしやすい部位です。
この中足骨の疲労骨折をJones骨折と呼びます。
Jones骨折は、急な方向転換や急に止まる動きなどで足の小指の付け根辺り(足の側面)に繰り返し負荷がかかる、サッカー・ラグビー・バスケットボールなどのスポーツをする人に多く見られます。
第5中足骨は他と比べて血行がよくない部位です。そのため骨の修復がなかなか進まず、難治性(なんちせい)骨折と言われています。
痛み
Jones骨折も疲労骨折の一種です。Jones骨折は足の外側に向けて強い負荷を繰り返しかけることで起きます。
そのため、外側に向けての負荷がかかった時に強い痛みを生じます。それだけでなく、重い荷物を持った時など、上からの荷重でも痛みを生じます。
腫れ
強い痛みとともに腫れも出ます。他の疲労骨折のような保存療法ではなかなか治りにくい部位ですので、腫れが出るほど進行した状態になると手術をする方が治りがよいとされています。
血流などの理由で難治性と言われており、再発も多い部位ですので、激しい痛みや腫れが出る前に初期の段階で気づいて安静にすることが一番望ましいです。
また、このように足の側面や小指側に痛みや腫れがある場合は、痛風などの病気も考えられます。こちらもあわせてご覧ください。
→【足の小指の腫れの原因!その痛みは何かの病気かも?!】
足の甲の疲労骨折を放置していたらどうなる?
足の甲が疲労骨折をしている場合は完治までに数か月以上かかることが多く、かなりの時間がかかってしまいます。
もし放置していると完治までの期間が長くなるだけでなく、骨が変な位置で接着してしまい足の甲がボコッと腫れたような状態になってしまうこともあります。
なので、足の甲に痛みや腫れが生じたら放置せずにしっかりと病院で治療をしてもらうようにしましょう。
足の甲を疲労骨折する方は普段からスポーツをしている方が多く、早く練習に復帰したいという思いで痛みを我慢してしまうことがとても多いです。
ただし、これは症状を長引かせてしまい結果的にいつまでたっても痛みが治らないという悪循環に陥ってしまいます。
なので「痛みがひいたから大丈夫」と自己判断せずにしっかりと完治するまで治療を続けることが大切です。
足の甲を疲労骨折したときの応急処置の方法
最後に疲労骨折をしてしまった場合の応急処置の方法を確認しておきましょう。
冷やす
まず、患部をアイシングするようにしましょう。痛みや腫れがある場合は骨折とともに炎症を起こしてしまっている場合が多く、熱をとるためにもアイシングを行います。
ビニール袋に氷水を入れてタオルを当てて患部を冷やすといいでしょう。冷やし過ぎると凍傷などになってしまいますので10分ほど冷やすようにしましょう。
また、そのあとは湿布を貼って熱を取り除くといいですね。
テーピングやサポーターをする
疲労骨折をしたら患部をテーピングやサポーターで固定することは応急処置の基本です。
固定することで歩行時などの衝撃を抑えることができ、痛みを和らげることもできるでしょう。
テーピングは慣れていないと巻くのが少し難しいかもしれませんので、サポーターをつける方が簡単なはずです。
早く治すために早期治療を心がけよう!
足の甲の疲労骨折には中足骨疲労骨折とJones骨折というものがあります。
中足骨疲労骨折は足の甲の中心辺りの疲労骨折で、初期には軽い違和感程度であったり、運動の過程で痛みに波があったりするため、気づかない人も多いです。
しかし腫れが出るぐらいに進行すると、治療に時間がかかることが多いので、ちょっとした違和感を感じたら医療機関で相談しましょう。
初期はレントゲンで異常が見られないケースも多いので、できればスポーツ医などの専門の医療機関で受診する方がよいです。
Jones骨折は、足の小指の付け根辺りに痛みや腫れを生じます。
初期であれば安静にすることで快方に向かいますが、激しい痛みや腫れをともなう進行段階になると、なかなか治らない難治性の疲労骨折です。
安静にして過ごすという保存療法では時間もかかり、再発を繰り返すため、手術などの大掛かりな治療が必要となる厄介な骨折です。
外側への負荷がかかった時だけでなく、重い荷物を持った時などに足の小指の付け根辺りに痛みがあったり腫れがある場合は、早めにスポーツ専門医で相談する方がよいでしょう。