腕の付け根が痛いときにチェックしてほしい6つの病気
腕の付け根が痛くなる原因は大きく分けて、筋肉の痛みとリンパ節の痛みに分けることができます。
痛みの原因に合わせて行うべき対処法も異なってきますので、しっかりと原因を解明することが大切なのです。
また、心臓や肝臓などの内臓の病気が腕の付け根の痛みに影響を与えている可能性も考えられます。
そこで、ここでは症状に合わせて腕の付け根に痛みがする原因についてお伝えしていきます。
腕の付け根が痛い原因
筋肉疲労
腕の付け根に痛みがあるときに最も多い原因が筋肉の疲労です。
重い荷物を持ったり、水泳やバスケットボールなどの腕を酷使するスポーツをすると腕の付け根に大きな負担がかかり、痛みが生じてしまうのです。
また、このような激しい運動でなくても長時間パソコンを使用していたり、自転車に乗っているなどの弱い力が繰り返されることも腕の付け根の筋肉疲労につながります。
特に腕を上下させたり、支えたりする運動は付け根部分の筋肉を酷使するのです。
筋肉量が少ない女性の方などで起こりやすいので、このような運動に心当たりがある場合はしっかりと休養したりケアをすることが大切です。
肩こり(首こり)
肩こりや首こりも腕の付け根の痛みにつながります。肩や首の筋肉は腕の付け根とつながっており、この部分が凝って筋肉が硬くなってしまうことで周囲の血管を圧迫します。
すると血液の流れが悪くなり、腕の付け根あたりの筋肉にも影響がおよび、痛みや凝りが生じてしまうのです。
肩こりは長時間のデスクワークやスマホの使用で生じやすいです。
パソコンやスマホを長時間使用するときは1時間に1回は軽く休養を入れるようにしましょう。浴時に自分でマッサージをして揉みほぐしたりすると改善につながるのでおすすめです。
また、肩こりの場合は肩や腕を回すとゴリゴリと音がすることもあります。詳しくはこちらの記事を参考にしてください。
リンパ節の腫れ:脇の下に腫れやしこりがあるとき
腕の付け根の痛みとともに脇の下に腫れやしこりなどの違和感がある場合は、リンパ節で炎症が起き腫れている可能性が考えられます。
リンパ節は首の横にある頸部リンパ節が有名ですが、脇の下にもリンパ節がたくさんあり医学的には腋窩(えきか)リンパ節と呼ばれています。
リンパ節では、体内に侵入したウイルスや細菌が全身に広がる前に退治してくれる部分でこのときに炎症が起き腫れてしまうのです。
また、脇の下に腫れやしこりがある場合は乳がんの可能性も疑われますので注意しなければなりません。
詳しくは後述しますので、このようなしこりなどの症状があらわれる場合は必ずチェックしておきましょう。
腕の付け根が痛いときに疑うべき病気
心臓の病気:左腕の付け根が痛いとき
左腕の付け根に痛みがする場合に当てはまることですが、心臓の病気が影響していないかチェックする必要があります。
左腕の付け根と心臓はとても近くに位置し、実際には心臓で痛みが生じているのに感覚的には左腕の付け根で痛みを感じている場合もあるのです。
具体的には、自律神経失調症や心臓神経症、不整脈、狭心症などが原因となっている場合が考えられます。
以下の記事で心臓に痛みがする原因について詳しくお伝えしていますのでぜひご覧ください。
参考:心臓に違和感がする5つの原因!ストレスをため込まない対処がポイント!
また、反対に右腕の付け根に痛みがする場合は、後述するように肝臓の疲労が影響している可能性が考えられます。
肝臓の病気:右腕の付け根が痛いとき
右腕の付け根に痛みがする場合は肝臓の疲労や病気が影響していることが疑われます。肝臓は大きな臓器で、肝臓が悪くなると右肩や右肩甲骨のあたりにも痛みがあらわれるのです。
肝臓は暴飲暴食によって大きな負担が与えられます。なので、しっかりと生活習慣・食生活を見直すことが大切です。
ただ肝臓は沈黙の臓器とも呼ばれていて症状がとてもあらわれにくい臓器です。
なので肝臓の病気で痛みが生じている場合は、症状がかなり進行してしまっていることが考えられるため早めに病院を受診するようにしましょう。
五十肩(四十肩、肩関節周囲炎):腕が上がらないとき
腕の付け根の痛みとともに、腕が上がらなくなるような症状がともなう場合は五十肩の可能性が疑われます。
五十肩と四十肩は、医学的には肩関節周囲炎と呼ばれる病気で、肩の関節や筋肉で炎症を起こしてしまうことにより起こります。
名称の通り40代以降に起こりやすい病気で、加齢や生活習慣、ストレス、ホルモンバランスの変化などが影響して発症するとされています。
一般的には数週間〜半年の期間で自然に治るケースが多いですが、慢性化してしまうと完治までに1年以上の期間がかかってしまうので早めに整形外科を受診することをおすすめします。
参考:五十肩の治し方を徹底解説!ストレッチやリハビリの方法は?
石灰沈着性腱板炎 :腕が回らないとき
石灰沈着性腱板炎は五十肩ととても症状が似ていて、腕の付け根の痛みとともに腕が回しにくくなる症状があらわれます。
ただ、五十肩とは違い、肩の違和感などの前兆はなく突然痛みが生じることが多いです。
石灰沈着性腱板炎は、肩の筋肉に石灰(炭酸アパタイト)が生じてしまうことで起こりますが、石灰が生じる原因など詳しいメカニズムは未だ明らかになっていません。
上腕二頭筋長頭炎・烏口突起炎:肩の前側が痛いとき
上腕二頭筋長頭炎と烏口突起炎は、どちらも力こぶの筋肉である上腕二頭筋と近くの上腕骨がぶつかり、刺激し合うことで炎症を起こしてしまう病気です。
上腕二頭筋は長頭と短頭の2つに分かれており、このうち長頭で症状が起こる場合を上腕二頭筋長頭炎、短頭で起こる場合を烏口突起炎と呼んでいるのです。
これらの病気の痛み方の特徴は、肩の前側のあたりに痛みが生じやすいという点です。
筋肉の位置関係によりこの部分に集中的に痛みがすることが多く、後ろに手を回すなどの腕を動かす動作で痛みが激しくなるというのも特徴的です。
乳がん:脇の下にしこりがあるとき
腕の付け根に痛みあるときに、脇の下にしこりが見られる場合は前述したリンパ節炎が原因となっている場合と乳がんが原因となっている場合が考えられます。
乳がんは女性の病気で命にかかわる重大な病気なので、このような症状があらわれる場合は念のため病院で検査を受けることをおすすめします。
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