左脇腹と右脇腹がつる原因一覧!意外な病気に注意しよう!
脇腹がつったという経験はありますか。手足がつることはよくありますが、脇腹がつるというのはかなり衝撃的です。何か怖い病気ではないかと不安になることもあるかもしれません。
今回は脇腹がつる原因と対処法についてお伝えしていきます。
脇腹がつると言っても、いつも左右どちらかの脇腹がつる場合や、左右に依存しない場合など様々ですね。自身の症状に合った原因を考えてみましょう。
左脇腹がつる原因
脾臓(ひぞう)の病気
左脇腹の上の方がつるという場合、脾臓の病気が原因となっているかもしれません。脾臓は、左脇腹に位置する小さな臓器です。
脾臓は普段存在を忘れてしまうような臓器ですが、血液を一時的にプールしておいたり、免疫機能を果たしたり、また肝臓の働きとも関係が深く大切な臓器です。肝臓の病気の影響で脾臓に負担がかかるという場合もあります。
また、脾臓が悪いと背中に痛みを感じる場合もあります。
脾臓の病気としては、
- 脾梗塞(ひこうそく)
- 脾腫(ひしゅ)
- 脾捻転(ひねんてん)
- 脾動脈瘤(ひどうみゃくりゅう)
など、聞きなれない病気が多々あります。
脾臓の働きは、他の臓器で補うことも可能で、事故や病気などで脾臓を摘出しても生命にかかわることはありません。しかし、脾臓の病気は他の臓器の病気が原因で生じている可能性があります。
関連の強い臓器としては肝臓があげられます。肝臓は沈黙の臓器とも言われ、自覚症状があらわれにくい臓器ですが、肝機能が低下することで脾臓に負担が大きくかかり、脾臓の病気が発症するということもあります。
左脇腹の上の方がつるという症状がある場合は放置せず、早めに医療機関を受診し、十分な検査を行い、原因を突き止めて早く治療できるようにしましょう。
すい臓の病気
すい臓は胃の背中側に位置しています。特に左よりというわけでもないのですが、すい臓の病気は左側がつったり痛んだりすることが多いです。
すい臓は消化液を分泌する臓器で、円滑な消化には欠かせません。また、インスリンやグルカゴンといった血糖値を調整するホルモンを分泌する器官でもあります。
すい炎やすい臓がんなどの病気がありますが、背中側に位置しているということもあり、発見されにくいと言われてきました。しかし超音波エコーやCTなどの精度も向上しています。
左脇腹がつったり痛みがある場合は早めに医療機関で相談して検査をしてもらいましょう。
検査の方法もたくさんありますが、症状をしっかり伝えることで適切な検査を行うことができ、また発見されやすくなります。
また膵臓は背中側に位置しているということもあり、背中の左側に痛みを感じる場合があります。併せてチェックしてみてください。
消化器系の病気
すい臓の他、食道・胃・腸などの消化器系の病気は左側に痛みが出る傾向にあります。やや中央よりの左脇がつったり痛みがあるという場合は消化器系の病気を疑う必要があります。
消化器系の病気というと、
- 食道炎
- 胃炎
- 腸炎
- 胃潰瘍
- 腸閉塞
など様々な病気が考えられます。
消化器系の病気の場合、様々な自覚症状があることがほとんどです。左脇腹がつるという症状の他に気になる症状はありませんか。
胸焼けや嚥下障害などがある場合は逆流性食道炎の可能性があります。空腹時に胃の痛みや不快感がある場合は胃炎、深夜から明け方にかけて下腹部に痛みがある場合は十二指腸潰瘍が疑われます。
詳しくはこちらの記事でもお伝えしていますので併せてご覧ください。
参考:胸焼けの原因と解消法を解説!コレは絶対に知っておいて!
消化器系の病気は数多く、左脇腹がつるという症状だけでは医師でも判断できかねます。
左脇腹がつるという症状だけでなく、そのタイミングやその他の症状なども詳細にメモをして内科を受診すると原因解明へとつながりやすくなります。
右脇腹がつる原因
胆のうの病気
胆のうは肝臓の下にある小さな袋状の臓器で、肝臓で生成された胆汁を蓄えて必要な時に分泌します。胆のうや胆管の病気の代表的な症状として右脇腹のつるような痛みがあります。
胆のう炎の場合、右側の一番下の肋骨から脇にかけてつるような痛みが走ることがあります。他にも、吐き気や嘔吐をともなうことが多いのです。
胆石症の場合、脂っこい食事をした後などに痛みが出ることがよくあります。吐き気や圧迫感も胆石症の症状の1つです。右脇腹がつるという症状の他にも気になる症状がないかまとめてみましょう。
胆石症の疑いがある場合は脂っこい食事を避け、規則正しい生活リズムを心がけましょう。
- 胆石溶解療法
- 体外衝撃波砕療法
- 内視鏡手術
- 外科的手術
など状態に合わせて治療法を考えていかなくてはなりません。
激しい痛みをともなうこともあり、治療が遅れると非常に辛いですので、早めに医療機関で相談するようにしましょう。
胆石症に関して詳しくはこちらをご覧ください。
虫垂炎(盲腸)
右脇腹の下の方につるような痛みがある場合は虫垂炎の可能性があります。急性虫垂炎の場合、転げまわるほどの経験したことのないような激しい痛みに襲われることがあります。
その表現の仕方は様々ですが、右脇腹がつるような痛みという方もいます。
虫垂炎は外科手術で簡単に摘出でき1週間ほどで退院できる病気ですが、放置すると腹膜炎を起こしたりして大変危険です。虫垂炎の疑いがある場合は一刻も早く医療機関を受診しましょう。
急性虫垂炎、いわゆる盲腸に関してはこちらの記事でさらに詳しくお伝えしていますのでぜひご覧ください。
大腸がん・腸閉塞
大腸がんや腸閉塞などが原因で右脇腹がつることもあります。他にも血便が出たり、ひどい便秘であったりする場合は詳しく検査してもらいましょう。
左右に依存しない原因
左右対になって存在する臓器の場合、病気の部分によって左がつったり右がつったりすることが考えられます。
例えば女性の場合、左右の卵巣や卵管のうちどちらかだけに炎症を起こしている場合は、炎症のある側がつることがあります。
腎臓も左右対になっていますが、片側だけに腎臓の炎症がある場合は炎症のある側がつったり痛んだりします。
また、大動脈瘤破裂の場合、どちらかの脇腹から背中にかけて痛みを生じることがあります。大動脈瘤破裂は生命の危機をともないますので、背中にかけての激しい痛みがある場合は救急外来を受診しましょう。
他にも筋肉疲労や圧迫骨折などが原因で脇腹がつるということもあります。普段使わない筋肉をねじるように繰り返し使ったり、やり慣れないスポーツをしたという場合は安静にして様子をみましょう。
まとめ
脇腹がつる原因についてまとめましたがいかがでしたか。脇腹がつる原因は非常にたくさんあります。すべてが重篤な病気というわけではありませんが、早めの治療が重要な場合もあります。
運動不足などと簡単に放置せず、他にも症状がないか、具体的にどの辺りがどのタイミングでつるかなど、詳しい症状をまとめてみましょう。そのような情報が医師の判断の参考になるのです。