唾液が多い意外な原因をチェック!唾液が止まらない病気とは?
唾液の量が多いと、よだれを垂らしているみたいでイヤですよね。また、話しているときに口からツバが出てしまうことも多くなり、相手に不快感を与えかねません。
唾液が出ることは人間の生理作用ですが、唾液量が止まらないほど多いことは何かの疾患が影響して起きていることも考えられます。
そこでここでは唾液が多い原因や病気についてお伝えしていきます。
唾液の働き!唾液が多いのはダメなこと?
口から唾液が出ることは本来、人間が備えている生理作用のひとつで生きていくうえで欠かせない現象です。
しかし、唾液が多く出過ぎることは自分が不快に感じるだけでなく、相手にも不潔な印象を与えてしまいますよね。
そもそも唾液には驚くことに以下の8つの働きが存在します。
- 口の中を物理的に保護する
- 食べ物をスムーズに飲み込めるようにする
- 歯の再生化作用
- 虫歯の予防
- 細菌が口から体内に入るのを防ぐ
- 食べ物の消化作用
- 味覚の活性化
- 水分補給の合図の役割
以上のように唾液は予想以上の役割を果たしていることが分かりますね。このような唾液の働きを考えると唾液が多すぎることによる体への悪影響はほとんどないということが分かります。
しかし、何か体の異常や病気が原因となって唾液の量が多くなっていることもあるので、この場合は十分に注意しなければなりません。
なので、唾液量が多いと感じたら考えられる疾患を理解することは非常に重要なことなのです。
唾液量が多い3つの原因
自律神経の乱れ
唾液は口内に存在する唾液腺から分泌されます。そして、この唾液腺は自律神経という体の生理作用をつかさどる神経により支配されているのです。
つまり、自律神経に異常が生じればそれに影響して唾液の量に異常が出てくることになります。
自律神経は活動する神経である交感神経と休息する神経である副交感神経から成っています。活動的な日中は交感神経が活性化し、休息する夜中は副交感神経が活性化するのです。
このような2種類の自律神経が互いにバランスを取ることで私たちの体は正常な生理作用を行い、生命活動を維持することができているのです。
しかし、この2つの神経がなんらかの原因でバランスを崩してしまうときがあります。このように自律神経の乱れが起こると、唾液の量も正常ではなくなってしまうのです。
具体的には、副交感神経の方が異常に活性化(あるいは相対的に交感神経が異常に不活性化)してしまうことによりサラサラとした唾液が多く分泌されてしまいます。
自律神経の乱れは自律神経失調症を引き起こす原因となります。つまり、唾液の分泌量が多くなることは自律神経失調症の前兆症状であることもあるのです。
自律神経が乱れてしまう原因も含め、自律神経失調症について詳しくは後述していきますのでぜひご覧ください。
胃や腸の機能低下
唾液が多くなるのは自律神経の乱れだけでなく、胃腸などの消化器官の異常によっても引き起こされます。
冒頭に説明したように唾液には食べ物の消化作用という働きもあります。基本的には食べ物の大部分は胃で消化されますが、口内の唾液も消化液であるのです。
なんらかの原因で胃や腸などの消化器官の機能が低下すると、その分食べ物の消化も滞ってしまいます。
食べ物は十分に消化されないと、栄養として体に吸収することができず生き物にとって好ましい状態ではないですよね。
そこで、私たちの体は胃で十分に消化できない分を口内で消化しようと試みるのです。
つまり、消化液である唾液量を多く分泌することで口内での消化を促進しようとするのです。口内で正常時よりも消化が行えれば、胃の負担も軽くなります。
このように胃腸の機能低下のつじつま合わせ的に唾液が多くなっていることも考えられるのです。
また、このつじつま合わせを指揮しているのも先ほど説明した自律神経によるものです。
それでは、どのような原因で胃腸の機能が低下してしまうのでしょうか。
これはさまざまなケースが考えられますが、よくある原因は冷えです。お腹が冷えることで胃の消化活動は停滞化して唾液の分泌が促進されるのです。
特に冬場など寒い時期はお腹が冷えることが多いので注意しなければなりませんね。
また、胃や腸の病気が影響しているケースも考えられます。このような病気については後述していきたいと思います。
嚥下障害
嚥下障害(えんげしょうがい)とは、口の中に入っている飲食物をうまく喉に通すことができなくなってしまう障害です。
嚥下障害は飲食するときだけでなく、唾液を飲み込むときにも起こりえるのです。普段私たちは無意識に唾液を飲み込んでいますよね。
無意識に唾液を飲み込めることで口からよだれを垂らすことなく、口内に適切な量の唾液で保つことができるのです。
しかし、嚥下障害になってしまうと唾液をうまく飲み込むことができなくなってしまいますので、口内に唾液が多く存在することになります。
つまり、実際は唾液の分泌量は増えていないけれど、うまく飲み込むことができていないことが原因で唾液が多いと感じてしまうのです。
嚥下障害になってしまう原因としては多くの疾患が考えられます。成人の場合だと、脳疾患や神経疾患の前兆症状ということも考えられます。
また、喉に痛みを感じる場合は扁桃腺が腫れていたり、喉に口内炎ができていて物理的に唾液を飲み込むことが困難になっているというケースもあげられます。
唾液が多いときに疑うべき病気
ここまで唾液が多い原因についてお伝えしてきました。そこでここではこれらの原因から考えられる病気についてお伝えしていきます。
自律神経失調症
自律神経失調症は先述した交感神経と副交感神経のバランスが乱れることにより起こります。これにより唾液の量が多くなる他に、
- 頭痛
- 動悸
- 腰痛
- 不安感
といった症状が表れるのが特徴です。
自律神経失調症は過度なストレスや生活習慣の乱れが主な発症原因として考えられています。
また、自律神経失調症になると心臓に違和感がすることもあるのでチェックしてみるようにしましょう。
参考:心臓に違和感がする5つの原因!ストレスをため込まない対処がポイント!
胃腸炎
胃腸炎とは、胃・小腸・大腸の粘膜で炎症を起こしてしまう病気です。胃腸炎により消化器官の機能が低下し、唾液が多くなっていることが考えられるのです。
胃腸炎になると激しい腹痛や嘔吐、吐き気、下痢があらわれることが多いです。
発症原因としてはウイルスや細菌による感染、ストレスです。
胃潰瘍
胃潰瘍とは、胃酸が胃の粘膜をも消化してしまい胃壁がただれてしまうことです。このような状態になると胃の機能は低下してしまいます。
症状は胃腸炎と同じように、腹痛や下痢、吐き気などをともないます。また、原因も過度なストレスやピロリ菌の感染といった胃腸炎と似たものであることが多いです。
妊娠中の方は唾液過多症も
妊娠中の方に限られますが、つわりの症状により唾液が多く出続けている可能性もあります。妊娠をすると体にさまざまな変化が表れます。
これにより消化機能が低下したり、ホルモンバランスの異常により唾液の分泌量が増えたりしてしまうのです。
唾液が止まらないときに!分泌を抑える対処法
ストレスを溜め込まない
日常生活で過度にストレスを溜め込んでしまうことは、自律神経の乱れ、胃の機能低下につながり唾液が多くなってしまう原因となります。
人間関係などでさまざまなストレスを受けることは避けられませんが、適度な運動と休養によりストレスを溜め込まないようにすることが大切です。
食生活を改善する
暴飲暴食、肉類(脂質)の過剰摂取、刺激物の摂取は消化器官である胃腸に大きな負担となります。
これにより唾液が多く分泌されるほか、腹痛などの症状に悩まされる原因ともなってしまうのです。
適度な食事、野菜の積極的な摂取など正しい食生活を意識していくようにしましょう。
お腹を冷やさないようにする
お腹を冷やすことは胃腸の働きの衰えにつながります。お腹が冷えていると感じたら、温かい飲み物を飲んだり、冷たい飲み物は控えるようにするといいでしょう。
また、寝ているときは特にお腹が冷えやすくなります。冷えは風邪を含め、さまざまな疾患の原因ともなりますので冬場はしっかりと対策を取るようにしましょう。