ウイルス性胃腸炎に感染する原因とは?特徴的な症状をチェックしよう
腹痛や下痢、嘔吐といった症状があらわれる場合はウイルス性胃腸炎の疑いが持たれます。
ノロウイルスの感染などに代表される胃腸炎はしっかりと治療を行い完治させていく必要があります。
そこで、ここではウイルス性胃腸炎の感染経路、原因、対処法などについてお伝えしていきます。
ウイルス性胃腸炎がうつる原因
ウイルス性胃腸炎は、感染性胃腸炎の一種で特にウイルスによる感染で起こる胃腸炎のことをいいます。
感染の原因となるウイルスはノロウイルス・ロタウイルス・アデノウイルス・エンテロウイルスなどさまざまな種類が存在します。
これらのうち特にノロウイルスとロタウイルスによる感染が多いのが特徴です。
このような原因ウイルスが後述するような感染経路で人から人へとうつることが知られています。
他の人からもらってしまったウイルスが体内に侵入し、胃腸で炎症を起こしてしまうのです。
特にノロウイルスは代表的なウイルス性食中毒といわれており、牡蠣などの二枚貝を生で食べると感染しやすいといわれています。
これは、ノロウイルスが海水内に含まれていることに起因しています。ノロウイルスを含んだ海水が牡蠣の内臓に蓄積してしまい、それを体内に入れてしまうことで感染してしまうのです。
ウイルス性胃腸炎の感染経路とは?
主な感染経路は、接触感染と経口感染です。これらは以下のような特徴があります。
- 接触感染:原因ウイルスが手に付着した状態で口に触れてしまうこと
- 経口感染:原因ウイルスに汚染された食べ物を口にしてしまうこと
ノロウイルスによる胃腸炎だと、経口感染のイメージが強いですが実は接触感染にも十分注意しなければなりません。
なぜなら、接触感染による人から人へとうつってしまうため、集団で感染してしまう危険性が高まるからです。
感染者の嘔吐物や便などから発生したウイルスが体内に入ってしまい胃腸炎が流行してしまうケースも多いのです。
ウイルス性胃腸炎の症状
一言にウイルス性胃腸炎といっても、上述したように感染源となるウイルスにはさまざまな種類があります。そして、この原因ウイルスによって症状も変わってきます。
ここでは代表的なノロウイルスとロタウイルスに感染してしまった場合にあらわれる症状についてお伝えしていきます。
ノロウイルスの場合
ノロウイルスによる胃腸炎では以下のような症状があらわれます。
- 腹痛
- 下痢
- 吐き気
- 発熱
大人の場合は特に下痢の症状が出やすく、子供の場合は嘔吐(吐き気)の症状が出やすいのが特徴です。
これらの症状は基本的に1〜2日間程度続き、その後は徐々に治まっていきます。
ロタウイルスの場合
ロタウイルスもノロウイルスのように、下痢や発熱、嘔吐といった症状があらわれます。
ただ、ノロウイルスよりも症状は軽いことが多く感染しても発症しないケースやただの体調不良、軽い風邪のように感じてしまうこともあります。
これらの症状があらわれる期間はノロウイルスよりも長く、1週間近く続くことが多いです。
また、ロタウイルスは大人よりも子供や乳幼児が感染することが多く、冬場に発症する子供嘔吐下痢症の原因の8割以上を占めているという統計データがあります。
ウイルス性胃腸炎の潜伏期間
潜伏期間とは、病原体となるウイルスに感染してから体に症状が出るまでの期間のことをいいます。
原因となるウイルスの種類により潜伏期間は変わりますが、一般的に1〜3日間程度といわれています。
詳しくお伝えすると、ノロウイルスの場合は1〜2日間の潜伏期間、そしてロタウイルスは2〜3日間ほどの潜伏期間であることが多いです。
症状があらわれていない潜伏期間中は、発症後ほど感染力は高くありません。
ただ感染力が全くないわけではないので、この潜伏期間で知らない間に感染が拡大してしまうということもあるので予防をしっかりと行う必要があるのです。
ウイルス性胃腸炎に感染したときの食事
ウイルス性胃腸炎にかぎらず消化器官の炎症を起こしているときは食事に注意しなければなりません。
なぜなら、誤った飲食物を口にしてしまうと炎症を促進させてしまったり症状を悪化させてしまうおそれがあるからです。
胃腸炎になってしまうと下痢や吐き気が起こり食欲がなくなってしまいます。発症初期など症状がひどい場合は無理して食べる必要がありませんが、症状が治まっていくにつれて徐々に食事をとっていくといいでしょう。
なぜなら、食事を取らないと栄養不足となり、ウイルスを退治する免疫力も低下してしまうからです。
ただ、上述したように口にする食べ物は慎重に選ぶ必要があります。
食べてもいい食べ物
胃腸炎の場合に食べても良い食べ物はかなり限られてしまいます。基本的には消化に良い食べ物を摂取していくようにしましょう。
- おかゆ
- うどん
- おせんべい
- 白身魚
症状にもよりますが、3日間〜1週間程度はこのような食べ物を中心とした食生活を心がけるといいですね。
また、下痢などにより体内の水分はかなり失われてしまうので水分は積極的に摂取していくようにしましょう。水分と同時に塩分、ミネラルも失われるので経口補水液やスポーツドリンクがおすすめです。
ただし濃い飲み物は胃腸に負担を与えてしまうので必要に応じて薄めて摂取するようにしましょう。
控えるべき食べ物
症状がひどい場合は以下のように多くの食べ物を避けるようにしましょう。
- 刺激物:香辛料がきいている食べ物、チョコレートなど
- 油物:肉類や青魚など油が多いもの、揚げ物など
- 乳製品:牛乳、ヨーグルトなど
- アルコール
- 野菜や果物
ただし、症状が回復してきたり、元々症状がそこまでひどくない場合は柑橘系のフルーツや煮た野菜などは食べても大丈夫です。
ウイルス性胃腸炎かな?と思ったら何科に行くべき?
腹痛、下痢、嘔吐などの症状があらわれたらウイルス性胃腸炎の疑いが持たれます。
病院へ行くときは何科に行けばいいのか迷ってしまいますが、胃腸炎の場合は内科もしくは消化器科に行くといいでしょう。
基本的には、家の近くにある内科を受診します。子供や乳幼児の場合は小児科に行くといいですね。
ウイルス性胃腸炎と似たような症状があらわれる他の胃腸炎やお腹の病気である可能性も疑われますが、これらの病気も内科や小児科で治療してもらえますので問題ありません。
ウイルス性胃腸炎の治療法
ウイルス性胃腸炎の場合は、症状にあわせた対症療法が行われます。
対症療法とは病気の原因を直接治療するのではなく、症状を軽減するために治療を行っていく方法です。これにより自然治癒能力を高めて、治療を促進させていきます。
具体的には、嘔吐・下痢による脱水症状が起こらないようにしたり、腹痛などの症状を抑えるために処方箋を服用したりしていきます。
対症療法は症状をしっかりと医師に見てもらう必要があるので、早めに医療機関を受診し早期治療を心がけることが大切です。
ウイルス性胃腸炎の予防をしよう!
ウイルス性胃腸炎の感染経路や食事での注意点などを中止にお伝えしました。ウイルス性胃腸炎は子供だけでなく大人も発症することも多く、誰にでも感染する病気です。
なので、日ごろから手洗い・うがいを行い、免疫力を高められるように良い食事や十分な睡眠をとっていくようにしましょう。
また、ロタウイルスの感染症には予防接種ワクチンが存在します。ロタウイルスは乳幼児で感染しやすいので、秋〜冬の時期など流行りやすい時期はワクチンを摂取して予防するといいですね。