手首が痛い!その痛みの原因はこの4つのうちどれですか?
手首が痛くなると、普段何気なくしている行動でも激痛が走ることがありますよね。
例えばドアを開けようとドアノブを回したら激痛が走ったり、座って後ろに手をついたら痛くて後ろにひっくり返ってしまったり…。
手首はいろいろな場面で使っている部分です。手首が痛くなる原因はたくさんありますが、症状をよく理解し少しでも早く改善するようにしたいですね。
今回は手首が痛くなる原因をご紹介します。手首の痛みで悩んでおられる方はぜひ参考にしてみてください。
手首の痛みについて
手首には3本の神経が通っています。真ん中に正中神経、親指側に橈骨神経(とうこつしんけい)、小指側に尺骨神経(しゃっこつしんけい)があります。
痛みというのは何らかの原因で神経に刺激が生じている状態です。
手首の3本の神経にはそれぞれ支配領域があります。漠然と手首が痛いというのではなく、まずは手首のどの辺りが、どのような状態の時に痛むかなど、詳しく調べてみましょう。
どの神経に刺激が生じているのかによって症状は異なり、治療法も変わってきます。
また手首にはたくさんの筋や腱・骨がありますので、どこで炎症を起こしているのかなど、素人の判断ではわかりません。
ちょっとした痛みだからすぐ治るだろうと放置せず、早めに整形外科を受診するようにしましょう。
ドケルバン病
親指の付け根あたりにある滑膜性腱鞘(かつまくせいけんしょう)が炎症を起こす病気です。手首だけではなく親指の痛みを訴える人が多いです。
妊娠中の女性や更年期の女性、指をよく使う仕事をしている方に多い病気です。
ドアノブを回す、スマートホンを片手で操作するといった特殊な動きの時に痛みが出ます。
病院に行っても説明するのが難しいのですが、フィンケルシュタインテストという方法で痛みが出たらドケルバン病と言えます。一度自分でもやってみてください。
治療は、まず安静にして手を使わないようにします。といっても手首は思わぬ時につい使ってしまう箇所ですので、装具を使って固定します。
炎症を鎮めるためにステロイド注射をすると劇的に痛みがなくなることが多いのですが、この時に手首を使ってしまうと改善されませんので、固定して安静にしておきましょう。
これらで改善が見られない場合や再発がある場合は切開手術を行います。
手術は特殊な細いメスを使用する為、小さな傷ができますが縫う必要もない程度のものです。手術時間は5分程度で入院の必要もありません。
キーンベック病
手首の月状骨(げつじょうこつ)が壊死して扁平化する病気です。手首には8つの骨がありますが、月状骨は周囲を軟骨に囲まれた骨で血行不良を起こしやすい骨です。
原因はわかっていませんが、手首をよく使う職業の方がなりやすいです。
治療は、痛みが小さく日常生活に大きく影響のない場合は装具で固定して様子をみます。痛みが強く進行している場合は手術を行います。
手術は2種類あります。1つは橈骨を削ることで月状骨にかかる圧を減らす方法です。
もう1つは血管束移植術です。これは月状骨の血流を取り戻すための手術で、顕微鏡下で行います。
手根管症候群(しゅこんかんしょうこうぐん)
手首の3つの神経のうちの正中神経が締め付けられることで、しびれや親指の脱力感を感じます。
しびれは夜間から明け方にかけて強く出る傾向にあります。正中神経の支配領域である親指から薬指の半分までの部分でのみしびれが出ます。
治療は、痛みが強くなければ装具で固定して様子をみます。消炎鎮痛剤やステロイド注射で効果が現れることもあります。痛みが強い場合は手術により正中神経への圧迫を減らします。
骨折
手首にはたくさんの小さな骨があります。それらの骨折により痛みや腫れが出る場合があります。
舟状骨骨折・有鉤骨の鉤骨折(ゆうこうこつのこうこっせつ)・橈骨遠位端骨折(とうこつえんいたんこっせつ)などがあります。
舟状骨骨折は転んで手を強くついた時に折れることが多いです。血液の流れが悪い場所で、骨がつきにくく治りにくいです。
治療はギプスや装具を使って長期固定(6~10週間)が必要です。
これでも骨がつかない場合は手術が必要となります。手術の方法は移植や固定など状態に合わせて相談しながら決めます。
有鉤骨の鉤骨折は手首にある骨の1つ有鉤骨の鉤という突起部分を骨折し、小指側に腫れや痛みを生じます。
転んで手をついた時に起こることもありますが、ゴルフクラブ・テニスのラケット・野球のバットなどを長時間振ることで生じることが多いです。
治療は固定して様子をみることもありますが、スポーツをしている場合は再発をすることもあるので、手術で骨折した骨片を摘出する方法が多いです。
レントゲンではわかりにくいこともありますので、スポーツをしている方はそのことをしっかり医師に伝え、詳細に診てもらいましょう。
橈骨遠位端骨折は高齢者に非常に多い骨折で、転倒した時に手をついた勢いで手首を骨折します。
手首を外側にして骨折した場合はColles骨折といい、内側にして骨折した場合はSmith骨折といいます。
転倒した時に手首を内側にして手をつくことは少なく、Colles骨折の方が多いです。
骨折部にズレがなければ簡単なギプスで固定します。ズレがある場合は手術により修復を行います。
その他の原因
その他にもガングリオンや腱鞘炎が原因という可能性も考えられます。これらについてはこちらの記事を参考にしてみてください。
まとめ
手首には3本の神経と多くの筋や腱・骨があります。一言で手首が痛いといってもその症状は様々で、詳しく伝えないと医師も判断できかねます。
まずは痛みが出るパターンをしっかり確かめておきましょう。大した痛みではないと放置せず、早めに整形外科で相談するようにしましょう。