みぞおちにしこりができる原因一覧!痛みの有無のチェックが大切です。
みじおちのあたりにこれまでなかったしこりが急にできる原因はいったいなんなのでしょうか。このしこりの多くは剣状突起であることが考えられます。
しかし、痛くない場合、押すと痛みがある場合、常に痛みを感じる場合などご自身の症状に合わせて原因を探っていくと、思わぬ原因が発覚することもあります。
そこで、ここではみぞおちのあたりにしこりができる原因や病気についてお伝えしていきます。
みぞおちにしこりができる原因(痛くない場合)
ガスの溜まり
みぞおちのあたりの大腸でガスが溜まっていることが原因でしこりになっていることが疑われます。
大腸の位置は下腹部にあると思われていますが、一部はみぞおちの下あたりまで広がっているのです。
特にみぞおちの左下あたりに膨らみやしこりがある場合は横行結腸という大腸の部分でガス溜まりが発生していることが考えられます。
筋肉の凝り
姿勢が悪い状態を長時間続けていると、みぞおちあたりの腹部に筋肉の凝りが生じ、しこりのように感じてしまうことがあります。
長い時間デスクワークでパソコンに向かっていたという心当たりはないでしょうか。このように背中が丸まったような不自然な状態を続けていると、筋肉が緊張し血行の流れが悪くなってしまいます。
これにより、みぞおちに周りの筋肉が凝り、しこりが生じてしまうのです。
粉瘤(アテローム)
粉瘤とは皮膚の良性腫瘍の一種で、古くなった角質や皮脂が皮膚の下に溜まっていくことで生じます。
良性の腫瘍なので、悪化するとがんにつながるなどの悪さをするわけではありません。
この粉瘤は、全身のさまざまな部位に生じる可能性があり、みぞおちにできるとしこりができているように感じてしまいます。
粉瘤の場合、しこりの大きさは数mmから数十cmとさまざまで、通常は痛みやかゆみはありません。
しかし、放っておくと次第に大きくなっていくケースが多いので、早めに病院で切除してもらうことをおすすめします。また、中に膿が溜まっていて、独特に臭いを発することも多いです。
脂肪腫
脂肪腫も良性腫瘍で、皮膚の下で脂肪がかたまってしまうことにより起こります。弾力性のあるしこりになるのが特徴で、痛みやかゆみなどを感じることはありません。
大きくなると数十cmもの大きさになるので、脂肪腫も早めに切除してもらうといいでしょう。
大動脈瘤
大動脈瘤とは、胸部や腹部の大動脈が大きくなり、こぶ状になってしまったものです。多くの場合、痛みを感じることはなく、しこりのようなこぶが発見されることで発覚するケースが多いです。
大動脈瘤ができる明確な原因は未だ明らかになっていませんが、高血圧や遺伝が原因であると考えられています。
こぶが大きくなってくると、気管や食道を圧迫して呼吸困難、食べ物を飲み込むのが困難になることがあるので注意しなければなりません。
みぞおちにしこりができる原因(押すと痛い場合)
剣状突起
みぞおちにしこりを感じる原因の中で最も可能性が高いのが剣状突起によるしこりです。
剣状突起とは、胸の骨の一部で胸骨体の下側に存在します。形状は薄く平たい突起のような形をしており、みぞおちのあたりに存在します。
この剣状突起の大部分は軟骨でできており、みぞおちにしこりを感じるのはこの剣状突起の軟骨である可能性が高いのです。
ただ、すべての人が剣状突起のしこりを感じるというわけではなく、微妙な骨の向きや形、腹部のへこみ具合などで全くしこりがないという方もいます。
また、剣状突起は40歳を過ぎたあたりから軟骨が硬くなり骨化していきます。
剣状突起によるしこりの場合は、しこり部分を押すと痛みが生じることもあります。みぞおちの奥には神経が多く存在します。しこりを押すことでこの神経が圧迫されてしまうと痛みを感じてしまうのです。
このように剣状突起は何か特別な病気というわけではなく、誰にでも生じる可能性のある軟骨の突起です。
押すと痛みがあるからといって慌てずに、どうしても気になるようであれば病院で受診するといいでしょう。
みぞおちにしこりができる原因(何もしなくても痛い場合)
漏斗胸(ろうときょう)
漏斗胸とは、みぞおちの上あたりの前胸部がへこんでしまう病気です。漏斗胸の7割ほどは子供で発症するとされています。
漏斗胸になると、みぞおちや胸が痛くなることもあります。他にも、疲れやすくなったり、すぐに息が上がってしまうといったような症状もあらわれます。
逆流性食道炎
逆流性食道炎は胃酸が逆流し、食道の粘膜で炎症や潰瘍を起こしてしまう病気です。逆流性食道炎は以下のようにさまざまな症状を引き起こします。
- みぞおちや喉の腫れ、しこり
- 吐き気
- げっぷが出やすくなる
- 咳が出る
- 喉に違和感がする
- 口臭がする
- 胸焼け
特に最近は食生活の欧米化に伴って、20〜30代の若い世代でも発症することが多くなってきています。
上記のような症状があらわれる場合は逆流性食道炎ではないか疑うようにしましょう。
参考:喉が苦しい!喉が詰まった感じがする5つの原因と病気を徹底解説!
内臓の病気によるみぞおちのしこり
みぞおちの近くには、肝臓、膵臓、胃などさまざまな内臓が存在します。これらの内臓が悪くなることでしこりが生じていることも考えられます。
そこで、ここではみぞおちのしこりの原因となる内臓の病気をお伝えしていきます。
肝硬変
肝硬変とは、肝臓が硬く変化してしまい肝臓が機能しなくなってしまう病気です。初期症状は軽い体調不良のように、体がだるくなったり、便秘や下痢、食欲低下などが起こります。
その後、皮膚や目が黄色くなる黄疸が見られるようになったり、胃静脈瘤や食道静脈瘤を作り、みぞおちあたりにしこりを感じられるようになります。
肝硬変の原因は肝炎ウイルスの感染やアルコールの過剰摂取であるケースが多いです。
肝臓がん
肝臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれており、肝臓が悪くなっても症状が出にくいことで有名です。つまり、本当に肝臓が悪くなってからでないと自覚症状があらわれず、肝臓の病気は発見が遅れてしまうのです。
なので、肝臓がんも末期になってから見つかることが多く深刻な病気となっています。
肝臓がんの初期の段階ではほとんど自覚症状はなく、徐々に以下のような症状があらわれてきます。
- みぞおちのしこり
- 体がだるくなる
- 尿の色が濃くなる
- 体がむくむ
- 便秘や下痢
- 微熱が出る
肝臓がんは肝硬変が悪化して発症するケースが多いので、肝硬変の症状にもあわせて注意する必要があります。
また、肝臓が悪くなると背中の右側に痛みが生じることも多いです。
膵臓がん
膵臓は胃の後ろあたりにある臓器で、膵管の細胞ができるがんを通常、膵臓がんと呼んでいます。
初期の膵臓がんには特徴的な症状はなく、
- 胃の不快感
- 背中の違和感
- 下痢・便秘
といった症状が表れてくるケースが多くなっています。
胃がん
胃がんは、腹痛で発見されることが多くその他にも、みぞおちのしこりや吐き気、貧血、食欲不振などの症状があらわれます。
胃がんを発症する主な原因は以下のことがあげられます。
- アルコールの過剰摂取
- 刺激物の過剰摂取
- 喫煙
- ストレス
- ピロリ菌
みぞおちのしこりは痛みがあるかないかチェックしよう
みぞおちにしこりができるさまざまな原因についてお伝えしました。しこりに痛みがあるのか、ないのかで主な原因を分類することができます。
しこりの多くの場合は剣状突起で、特に心配する必要はありません。しかし、なかにがガンなどの病気が隠れている可能性もありますので、他に症状があらわれる場合は内科などを受診するといいでしょう。